メトロの車内はパリの人達の生活が見えてくる

旅行中は観光バスやタクシーを使って移動する人も多いと思いますが、パリを訪れたら、ぜひメトロにも乗ってみて欲しいと思います。市民の足として欠かせないメトロ、その車内では観光バスからでは決して見る事のできない、人々の生活が見えてきます。メトロの中で出会った様々な風景をご紹介しましょう。

パリの地下鉄(メトロ)百景2「メトロで出会った風景」 パリの地下鉄(メトロ)百景2「メトロで出会った風景」

車内で出会う様々な人々

メトロの駅の構内や地下鉄車内では、様々なミュージシャンの演奏に出会う事があります。ほんの数分間のパフォーマンスは、車内の空気をふわっと柔らかくしてくれることもしばしば。アコーディオンでパリらしいシャンソンを演奏する人、ギターと歌でにぎやかに盛り上げる人など様々。彼らは正式なオーディションを合格した公認のパフォーマーなのだそうで、趣味として、またプロの音楽家を目指して演奏している人も多いとのことです。演奏が気に入ったらぜひチップを渡しましょう。

ほろ苦い景色に遭遇することもあります

メトロの車内で座っていると、1人の男性が車両に乗ってくるなり、大きな声で何か喋り始めました。早口のフランス語を友人に意訳してもらうと「わたしは無職で、家には小さな子ども達がいます。食べていくために、どうか小銭を恵んでください」と話しているのでした。彼はそう話し終わると、帽子をお皿にして乗客の間を歩き始めたのですが、あまりのストレートなお願いに驚いたと同時に、パリの光と影を見たような気になりました。お客さんの中にはそっと小銭を入れてあげる人もいて、これもパリの人達にとっては日常の風景のひとつなのだと感じたものです。

さりげない優しさが上手なパリの人達

まだ息子が小さかった頃、ベビーカーに乗せてパリのメトロを利用していました。今でもパリのメトロにはほとんどエレベーターがありません。駅の構内でも基本的には階段が多いのですが、パリでは困ったことがありません。ベビーカーを押して階段の側までくると、サッと誰かが手伝ってくれるのです。たいていは若い男性で、ニコッと微笑んで手を貸してくれます。これには毎回とても感激しました。反対に、小さな子どもとベビーカーに乗る赤ちゃんを連れた若いお母さんから「私はベビーカーを持つのでこの子の手を引いて一緒に上ってもらえますか?」と頼まれたことも。こんな優しさの交換もメトロの風景のひとつになっています。