フランスで増えている窃盗被害

海外で邦人が受ける窃盗や強盗被害の場所の多くが、外出中に起きています。外務省の資料によりますと、2011年にフランスで起きた日本人の強盗・窃盗被害者数は600人あまり。その9割がパリ市内及びその近郊、そして9割がスリ・置き引きなどの外出時が占めています。そのうちの6割が女性とのこと。2007年の総数が300人あまりとなっているので、4年で倍増していますね。2013年はどうなのでしょう。それに盗られたのがお金だけだったら保険も下りないので、実際は被害届を出さないで、諦めてしまった人も同じくらいいるのではないでしょうか。スペインでも現地の領事館が、邦人被害の状況を頻繁にアップデートしていますので(多い月で20件程度。ほとんどがマドリッドのようです)、これから行かれる人は現地日本領事館のホームページをチェックしてみてはいかがでしょうか。

ヨーロッパの町なかで盗難に遭わないためには? 「置き引き」の防犯対策 ヨーロッパの町なかで盗難に遭わないためには? 「置き引き」の防犯対策

ヨーロッパの置き引きは、向こうから隙を作ってくる

さて、旅行者や駐在者の絶対数も多いこともありますが、ロンドンやパリ、マドリッドといったヨーロッパの大都市は、スリや置き引きに遭う事例が実に多いのです。「置き引き」というと、盗まれた人がよほど不注意だったと思いがちですが、そんなことはありません。日本では「不注意」に当たらないぐらいの隙でも、窃盗犯たちは見逃しません。人の出入りの多いカフェで席に荷物を置いて立つのは当然NGですが、その場所に自分がいても、足下に置いたカバン、イスの背にかけたバッグから一瞬にして盗んで行きます。また、アジアの置き引きは、本当に目を離した時に狙いますが、ヨーロッパの場合は「目を離す隙」を向こうから仕掛けてきます。カフェで見知らぬ人に話しかけられた時、近くにその仲間がいないか確かめて見てください。

「置き引き」の手口は?

多い手口はこんな感じです。場所はカフェでも駅の構内でも、被害者はたいてい足下かイスに荷物を置いています。そこへ誰かが話しかけてきます。旅行者を装って地図を広げて場所を聞いたり、世間話をしかけてきたりと。そして顔がそっちを向いている間に、仲間が荷物ごと持って行ったり、あるいはバッグから中身を抜いたりするのです。列車内でも荷物を網棚に乗せている間に、座席に置いてあったバッグがなくなっていた事例があります。安全そうに見えるスイスでも、鉄道駅ばかりか空港での置き引きが多いことが、領事館のホームページの被害辞令を見ればわかります。着いた空港で、いきなりスーツケースを置き引きされたら、ガッカリですよね。

「置き引き」の予防法

予防法としては、「なるべくひとりで移動しない」「ひとりが話しかけられた時、もうひとりは荷物を見張る習慣をつけて、ふたりで同じ方向を見ない」「ほんのわずかな間でも、荷物を置きっぱなしにしない」「窃盗犯はグループで行動するので、話しかけられたときに近くに不審な人がいないか注意する」などです。私はひとりで移動したりカフェに入ったりする場合が多いので、何となくいつも周囲に不審な人がいないかを見るクセがついています。相手もプロですから、自分が注意されていることに気づいたら寄ってはきません。話しかけられてもあわてて応対せず、周囲の状況を良く見てからにしましょう。