スパイスとハチミツを使ったお菓子

フランスで古くから愛されているお菓子のひとつに「パン・デピス」があります。フランス語でスパイス(香辛料)を意味する「エピス」という語が使われているように、シナモンやジンジャーなどのスパイスをふんだんに使った焼き菓子です。フランス東部のアルザス地方とブルゴーニュ地方で名物とされ、小麦粉を使うものとライ麦を使うもの、パウンドケーキのように柔らかいタイプからクッキーのように硬いタイプまで、地域や店舗によってさまざまな特徴が見られます。伝統的な製法では砂糖は使わず、ハチミツで甘みが加えられます。

ひと口サイズのパン・デピス ひと口サイズのパン・デピス

中国からもたらされたハチミツ・パン

パン・デピスの歴史は非常に古く、10世紀に中国で作られていたハチミツのパン「ミ・コン」が起源だと言われています。それが中近東を経てヨーロッパに伝わる間にスパイスが使われるようになり、東欧を中心にヨーロッパ各地に広まっていきました。ヨーロッパでは伝統的に、穀物やハチミツを自給自足できた修道院で主に生産されていたことから、宗教的な意味合いを帯びた焼型が作られるようになります。現在でもマルシュ・ド・ノエル(クリスマスマーケット)の始まる12月ごろになると盛んに店先に並び、露店などでもさまざまな工夫を凝らして販売されます。

パン・デピスを買うならアルザスかブルゴーニュ

アルザス地方の首府ストラスブールにあるたくさんのパティスリー(洋菓子店)ではどこでもパン・デピスを見かけ、袋詰めされたパウンドケーキタイプのものもクッキータイプのものも見かけます。パン・デピスのみを製造・販売する専門店もあるので、購入するのに困ることはないでしょう。同様に、ブルゴーニュ地方の首府ディジョンにもパン・デピスを並べるパティスリーがたくさんあります。ディジョンには1796年創業とゆうに200年を超える歴史を持つ「ミュロ・エ・プティ・ジャン」という老舗もあり大人気です。香辛料を使うパン・デピスは日持ちも悪くないのでお土産にもぴったり。食文化が豊かなアルザス、ワインが美味しいブルゴーニュ、どちらかに行くことがあればお土産にパン・デピスはいかがでしょうか?