プティット・フランスなのにフランス風ではない?

情緒的な街並みが魅力のストラスブールの中でも、とりわけ古くからの景観を楽しめるのがプティット・フランス地区です。「小さなフランス」を意味するこのプティット・フランス地区は、ストラスブールが神聖ローマ帝国下にあった15世紀、当時フランス病と呼ばれていた梅毒を治療するための病院があり、それが「ズム・フランチェーゼル」と呼ばれ、後にこの地区全体を指すようになったことに由来すると言われています。その名称とは対照的にこの地区に建てられている家屋はドイツ風なハーフティンバー式(木組み)のものばかりで、フランス観光としては珍しい風景を楽しめるでしょう。

特徴的な家屋が密集するプティット・フランス 特徴的な家屋が密集するプティット・フランス

独特な構造の家屋が密集する地区

プティット・フランス地区を歩いていると、家屋の造りがとても特徴的なことに気がつくと思います。このプティット・フランス地区には、かつて皮職人が集まって暮らしていました。家屋のいくつかは屋根に大きな窓が見られますが、これは近くを流れるイル川の水で洗浄した皮をここで乾燥させるために作られたそうです。また、どの家屋も1階部分は小さく、上に行くに従って大きくなっていく、一見不安的にも思える頭でっかちな形をしています。これは、当時1階部分の敷地面積で率が決められていた税金への対策のためと言われています。歴史が刻まれた家屋の作りをじっくり眺めてみましょう。

動く橋と遊覧船のエレベーターを見よう

プティット・フランスを流れるイル川も風情があり魅力的で、写真映えも申し分ありません。そこでぜひ見ていただきたいものが2つあります。ひとつは、下を通る船のための可動式の橋。とはいえ、日本の勝どき橋やロンドンのタワーブリッジのように橋桁が上に開くタイプではなく、橋桁が水平方向に回転するという面白いタイプです。もうひとつは川の水位の異なる部分を行き来するために、水門で水量を調整して船を上げたり下げたりするエレベーターのような仕組み。どちらもイル川を行く遊覧船のためのものなので、遊覧船に乗れば船の中から体験することもできます。外から写真を撮るもよし、中で楽しむもよし。ぜひ目にしておきましょう!