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コーカサス山脈に抱かれた絶景の村ウシュグリ、そこに立つ謎の塔の正体は?(後編)


掲載日:2014/09/10 テーマ:秘境 行き先: グルジア / トビリシ

タグ: 一度は見たい 世界遺産 絶景


謎の塔の正体は

コーカサス山脈に抱かれた絶景の村ウシュグリ、そこに立つ謎の塔の正体は?(後編) コーカサス山脈に抱かれた絶景の村ウシュグリ、そこに立つ謎の塔の正体は?(後編)

それは実に不思議な風景です。あたりには高い樹木は一本も生えておらず、岩の塔だけが大地から突き出てきたような感じです。塔の高さはおよそ20m。それではいったい何のためにこんな高い塔を建てたのでしょうか? それは、この地方に古くからある因習のためだといわれています。この地方には、家族の誰かが殺されたり傷つけられたりしたら、加害者かその家族に必ず同じような復讐をしなければならないという掟があったのです。「血讐」と呼ばれるこの因習は、広くユーラシア大陸から中東にかけて存在しています。その復讐から逃れるために、家族はこの塔に立てこもったのです。このスワネティ地方には200棟の棟が残っているそうです。

どうやって復讐から逃れたのか?

復讐から逃れてたてこもるために、塔は頑丈な造りで、小さなはしごだけでのぼりおりできるようになっています。はしごを上げてしまえば、誰も上ってくることはできません。十分な食糧を蓄えた塔を一軒一軒の家ごとに持っていたのです。ずいぶん費用と手間がかかったことでしょう。たとえそれが100年前の事件であろうと、復讐を遂げるまではやめることはできなかったといわれています。そして復讐された家族は、またさらに再復讐しなければならない。それは復讐の連鎖となったのです。それほど復讐が恐ろしかった時代が、この地方にはあったということです。もちろん現在はそのような風習はありません。

塔と自然がつくりだす絶景

そういった恐ろしい因習によって多くの塔が建てられたのは、9世紀から12世紀にかけてだといわれています。それからおよそ1000年後の1996年、これらの塔は世界遺産に登録されました。そして数多くの観光客が訪れるようになり、村人の生活を支えているわけですね。歴史とはときに皮肉なものです。大地から生えだしたような塔と、白銀の山々が調和した美しい風景は、有名な建築家が意識して建てられるようなものではなく、長い歴史と、多くの無名の人々の生活がつくりだすものなのでしょう。まさに絶景といっても過言ではありません。

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2014/09/10)

※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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