モーゼル川の旅の起点はコブレンツから

ドイツのライン川の旅ならば、ご存知の方は多いでしょう。フランクフルトに近いマインツから、途中可愛いリューデスハイムの町や、ローレライの岩を通って、モーゼル川と合流するコブレンツまで行くのです。ライン川はもちろん一級の観光地ですが、コブレンツからトリーアまで行くモーゼル川の旅がまたいいのです。その距離はわずか130キロ、車で2時間程度なのですが、そこを鉄道と船とバスを使って、2泊3日かけて旅するのです。まずコブレンツから船でコッヘムに行きます。鉄道を使えばわずか40分の距離を、5時間かけて船に乗ります。この船に乗れば、なぜ時間がかかるのか、みなさんもおわかりになるはず。なぜならモーゼル川は、やたらに蛇行しているからです。そして蛇行しているからこそ、風景もめまぐるしく変化し、飽きることがありません。ライン川とは、そこがまったく異なるのです。

コブレンツのモーゼル川がライン川に合流する地点。ドイツの角と呼ばれる。 コブレンツのモーゼル川がライン川に合流する地点。ドイツの角と呼ばれる。

ドイツの名城エルツ城は、行くのがちょっと大変…

モーゼル川は、モーゼル渓谷とも呼ばれているとおり、広くない川の両側には急斜面が迫ってきています。南側の斜面にはブドウ畑が丘の上の方にまで広がり、秋が深まれば、紅葉で一面が黄色に埋め尽くされて、それは美しいです。時折、小さな町や、丘の上には古城が見えます。コッヘムに到着したら、モーゼルケルンまで15分ほど列車に乗っていきましょう。ここからは歩いてエルツ城を目指します。ドイツが誇る名城のひとつです。1時間半ほど坂道を上ります。帰りは40分くらいでしょうか。時間があれば、コッヘムに戻ってコッヘム城へ行ってもいいでしょう。この日はコッヘム泊。翌朝はトラーベン・トラーバッハ行きの船に乗ります。これも5時間の船旅です。そしてトラーベン・トラーバッハからベルンカステルまでバスで20分。この日は、この町か対岸のクース泊です。

心に残るモーゼルの旅を

ベルンカステルは木組み建築の残る中世のような町です。このあたりはワインの町ばかり。地元ワインをぜひ飲んでみましょう。そして翌日、クースからバスで20分、ヴィットリッヒまで行って、そこから列車でトリーアまで。駅に荷物を預けてローマ時代から続く町を散策、ランチを食べたら、コブレンツ方面にふたたび戻ります。コブレンツまでは1時間半ほどで着いてしまうので、コッヘムの手前のブライで下車し、モーゼル・ワイン鉄道に乗り換えて、昨日行ったトラーベン・トラーバッハを往復します。片道20分の道のりです。行きはモーゼル川から眺め、帰りはモーゼル川を渡って眺める。トンネルや橋の多い田舎の列車の旅もいいですね。こんな旅をしたならば、きっとモーゼルの風景が、くっきりと心に残ることでしょう。最後、ブライからコブレンツまでは40分ほどで到着です。