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海外現地発ガイド通信

史実の重みと悲しみを展示する、ベルリン「ユダヤ博物館」


掲載日:2007/08/10 テーマ:歴史 行き先: ドイツ / ベルリン

タグ: ためになる 博物館 歴史


博物館建設は、ドイツの重い決断

ユダヤ博物館入口。建物を切りつけたような溝が衝撃的 ユダヤ博物館入口。建物を切りつけたような溝が衝撃的

メタリックな素材に打ち響く強い傷跡。「ユダヤ博物館」がベルリンという土地に建設されるということは、ドイツにとってどれだけ大きな決断だっただろうか。
この博物館を体験する我々にも、覚悟という決断が必要だ。歴史の重さを受け止めねばならぬ博物館は他にもある。しかしこの博物館の一番の違いは、訪問客が自分からその重さを選べないことだ。たとえ展示品を深く見なかったとしても、解説を読まなかったとしても、避けられない感情が沸き起こるだろう。

ホロコーストの被害者だからこその設計

『ホフマンの庭』。49本のコンクリートの柱が立つ 『ホフマンの庭』。49本のコンクリートの柱が立つ

ユダヤ博物館を設計したダニエル・リベスキントはポーランド生まれ。まずイスラエルで音楽を学び、その後アメリカで建築を学んだという経歴をもつ。
彼の家族はホロコーストの被害者でもある。鋭角的な建物は、外からみると計算し尽された正確さをイメージさせる。しかし実際中に入ってみると、そこに繰り広げられているのは歪んだ道、狭まる通路というバランスの崩れた世界である。建物という「空間」が我々の心をどうしようもない暗闇に突き落とす。そしてこの出口のない不安感こそ、当時のユダヤ人たちが感じた感情であろうことに気がつく。

ホロコースト・タワーと、ホフマンの庭

建物の構造そのものが複雑で、内部の展示方法も凝っている 建物の構造そのものが複雑で、内部の展示方法も凝っている

地下には三本の道がある。一つはホロコースト・タワーへの道、一つはホフマンの庭へと続く道、そして上の展示場へと続く階段である。
まずはホロコースト・タワーへ向かってみる。その通路には強制収容所で亡くなったユダヤ人の遺品が並ぶ。ホロコースト・タワーの扉を開けた瞬間、ここの通路で湧き上った感情が終結される。絶望。天井のわずかな切れ目から入り込む光には、希望の色は見当たらない。どっしりと閉められたドアによって、見るものの心も締め付けられる。
ホフマンの庭へと向かう道には亡命した人たちの姿が記録されている。亡命と移住の庭であるホフマンの庭には49本のコンクリートの柱が斜めに立っている。柱の上にはオリーブが植えられているが、土に違いがみられる。48本の柱にはベルリンの土が、そして真ん中の一本だけエルサレムの土が使用されているのだ。

歴史を繰り返させないために

地上の展示場では、ドイツにおけるユダヤ人の歴史が隙間なく展示されている。一つ一つを丁寧に見ていくと、一つのスペースを見終わっただけでぐったりしてしまうかもしれない。それほどに情報量が多い展示場となっているのだ。

楽しく華やかな観光名所ではないが、歴史を繰り返させないためにも、ベルリン観光客の多くにぜひ体験してほしい。

【関連情報】

■ Juedisches Museum Berlin(ベルリン ユダヤ博物館)
住所:Lindenstrae 9-14, 10969 Berlin
アクセス:地下鉄U1, U6 Hallesches Tor 徒歩5分
電話番号:(49) 03 259 93 300
URL:www.juedisches-museum-berlin.de/site/DE/homepage.php(ドイツ語・英語)
開館時間:月曜日: 10-22時(最終入場は21時)
火曜日〜日曜日: 10-20 時(最終入場は19時)
入館料:大人5ユーロ、割引2.5ユーロ(6歳までの子供は無料)

※余談だが、実はこの博物館が一般客に披露される予定だったのは、2001年9月11日であった。そう、まさに「あの日」である。残虐な歴史が繰り返されないように祈られるはずの日が、皮肉にも21世紀最初の忌むべき日と重なってしまった。
しかし、世界貿易ビル跡地建設には、メモリー・ファウンデーションと題したリベスキントの案が通った。

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/08/10)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
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