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海外現地発ガイド通信

近代建築の手本となったベルリンのモダニズム集合住宅群


掲載日:2013/06/15 テーマ:世界遺産 行き先: ドイツ / ベルリン

タグ: 建築 世界遺産 美しい


現在にも通じるモダン感覚

光を室内にたくさん採り入れたヴァイセ・シュタットの集合住宅 光を室内にたくさん採り入れたヴァイセ・シュタットの集合住宅

「これが世界遺産?」と、首をかしげる人がいるかもしれない。一見どこにでもある普通の建物。良く目にする集合住宅で、中には一般市民が住んでいる。今日あちらこちらに建っている集合住宅と一体なにが異なるのか。実はこれらの建物、全て1910年代から1930年代前半までに建設されたものなのだ。それなのにたった今建設中の建物と比べてみても何ら遜色がない。現在の感覚で眺めてみても、なかなかデザインが良い。これらがおよそ100年前に建てられたものであるとは思えない。ベルリンでは1990年代にムゼウムスインゼル(博物館島)や宮殿群、庭園群などが世界遺産へ登録された。ベルリン観光の目玉になっているが、もう一つの世界遺産、モダニズム集合住宅群へも足を運んでみよう。

低所得者のために建てられた住居だった

青い外壁に赤い窓枠がアクセントのカール・レギーエン集合住宅 青い外壁に赤い窓枠がアクセントのカール・レギーエン集合住宅

ベルリンは19世紀末から急速に発展し、人口も増加した。20世紀になってベルリン市は低所得者たち、主に労働者たちのための住居を大々的に確保する計画を立てた。ところが第一次世界大戦勃発のため多くの計画が棚上げされ、既に始まっていた工事は中断されてしまった。しかしベルリンの労働者たちは増え続けたため、第一次世界大戦が終結すると中断していた公営住宅工事が再開された。新たな計画も次々と生まれた。まだ東西に分裂していなかった時代、ベルリンの西側には高級住宅地が広がっていた。そのため、労働者たちの住宅は市の北側、東側、南側に建設されていった。

少ない建築費で快適な住まいを考える

突き出したベランダがユニークなズィーメンスシュタットの集合住宅 突き出したベランダがユニークなズィーメンスシュタットの集合住宅

ベルリン市がリーダーに選んだのは建築界の巨匠ブルーノ・タウトだった。彼を中心とするプロジェクトチームには後に世界のモダン建築を牽引する若手建築家たちが加わっていた。既に装飾を排除したモダニズム建築の時代に入っていた。ブルーノ・タウトとその仲間たちは新しいデザインで機能的な建物を生み出していく。低所得者のための住居だからといって、最低条件を備えただけの建物ではなかった。予算は多くなかったが、その中で最大限に良い建物を造ろうとした。建築費のかさむ石材を使わず、新建材として使われ始めたセメントや鉄から成る鉄筋コンクリートを駆使した。

美的感覚に耐える質の良い集合住宅を心がける

馬蹄型に配置され、煉瓦色に塗られたブリッツの集合住宅 馬蹄型に配置され、煉瓦色に塗られたブリッツの集合住宅

プロジェクトチームのコンセプトは、労働者たちに快適な生活を過ごしてもらうことだった。部屋のタイプは家族構成に合わせて3種類。ワンルーム、2部屋、3部屋まであり、どのタイプにもキッチン、トイレ、バスルームを付けた。低所得者用住居では画期的なことだった。1920年代以降に建てられた集合住宅には給湯設備や暖房設備まで整っている。見た目の美しさを重視したのは言うまでもない。真っ白な外壁、あるいは煉瓦造り、白壁にカラフルなアクセントが付いている建物もある。この様な新しい技術とデザイン性が評価され、2008年にベルリン郊外6カ所の集合住宅が世界遺産に登録された。後世に残る建物をめざしたタウトたちの結果である

データ

玄関のデザインに特徴のあるシラーパークの集合住宅 玄関のデザインに特徴のあるシラーパークの集合住宅

・Gartenstadt Falkenberg ガルテンシュタット・ファルケンベルク(トレプトゥ地区)
・Siedlung Schillerparkズィードゥルング・シラーパーク(ミッテ地区)
・Grosssiedlung Britz グロースズィードゥルング・ブリッツ(ノイケルン地区)
・Wohnstadt Carl Legien ヴォーンシュタット・カール・レギーエン(パンコウ地区)
・Weisse Stadt ヴァイセ・シュタット(ライニッケンドルフ地区)
・Grosssiedlung Siemensstadt グロースズィードゥルング・ズィーメンスシュタット(シャルロッテンブルク地区)

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2013/06/15)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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