東京ドーム45個がすっぽり入る公園

ツォー駅の前から100番のバスに乗ります。これも二階建てバスなので、できれば二階最前列を陣取りましょう。出発してすぐ、右手に見える高層ビルの屋上では、メルセデス・ベンツのマークがゆっくりと回転しています。バスは200番のバスでさっき外側を走ったティーアガルテンに入っていきます。南西のベルリン動物園と東のブランデンブルク門の間に広がるこの広大な公園は、かつては王家の狩猟場でした。その総面積は210ヘクタール(東京ドーム約45個分)もあり、公園というよりは“遊歩道の整備された森”と言った方がふさわしいかもしれません。

路線バスを乗り継いで、車窓からお手軽ベルリン観光(後編:路線バス100番の旅) 路線バスを乗り継いで、車窓からお手軽ベルリン観光(後編:路線バス100番の旅)

感激!「ベルリン・天使の詩」の女神像

公園を北に進むと正面に見えてくるのが、戦勝記念塔ジーゲスゾイレです。この塔はデンマーク、オーストリア、フランスとの戦争に勝利した記念に19世紀半ばに建てられました。67メートルの石塔の上には、金色に輝く勝利の女神ビクトリアの像が立っています。1987年に公開された映画「ベルリン・天使の詩」の主役、守護天使ダミエルは、いつもこの女神像の肩口に座って人間の世界を見ていました。とても美しい映画で、私はダミエルが女神像に寄りかかっている姿がなんともやさしく切なくて、大好きだったのです。バスから降りて、長い時間その女神像を見上げていました。

ドイツ連邦議会議事堂内の見学はオンライン予約が必要

バスは戦勝記念塔から東に進み、ベルビュー宮殿(大統領官邸)の前を通って、ドイツ連邦議会議事堂を目指します。私は、まだ午前の陽光が気持ちいい時間だったので、少しティーアガルテンを歩いてみました。必要最低限の遊歩道が巡らされ、目立たないところにベンチが置いてありますが、あとはあまり手を入れていない森の中といった佇まいです。時々通勤や通学の地元の人が自転車で駆け抜けていきます。いまだ建設ラッシュで目まぐるしく変わっていくベルリンの、変わらない静かな一面に触れた気がしました。再び100番のバスに乗って、ドイツ連邦議会議事堂の横を通ります。屋上のガラス張りのドームの中を見学するには事前のオンライン予約が必要。私は予約してなかったので、重厚で威風堂々とした外観を見ました。

バスに乗って夜景を楽しむのもおすすめ

またブランデンブルク門の前に出て、ウンターデンリンデン通りを通ってアレキサンダープラッツ駅に戻りました。一日乗車券を買っておけば、途中で何度でも下車できるので、気に入った場所で降りてじっくり観光もできます。バスの二階からの眺めは、同じ風景でも、地上を歩きながら見えるものとはずいぶん違うものです。私はその日、日が暮れてからもう一度、今度は逆回りで同じルートを走ってみました。ライトアップされたブランデンブルク門やポツダム広場のビル群の夜景は、日中の眺めとは全く別でこれまた見ごたえがありました。ベルリンの路線バス100番と200番でお手軽市内観光、おすすめです。