改札に慣れている身には、意外な駅

ヨーロッパの国々では、電車に乗る際、改札がないことが多々あります。ドイツのベルリン市内の駅も、改札はありません。外から来て階段を上ると、そこはもうプラットホーム、という感覚は、日本人からするととても不思議です。チケットは駅の窓口や券売機などで買え、ホームにある刻印機に自分でチケットを差し込むと、日時や駅名が打刻されるので、それから乗り込むのが決まりとなっています。でも、仮にチケットを持っていなくても、そのまま電車に乗れてしまいますし、降りたあとも改札がないので外に出られそうです。現に私がベルリンに来る前に出会った、あるバックパッカーも小声で言っていました。「ベルリンの電車にタダで乗ってしまった」と。

ベルリン中心部の駅は、近代的なデザインが美しい ベルリン中心部の駅は、近代的なデザインが美しい

1週間乗りまくって、観察してみた

その人の話によると、「車内に検札員が来ることもあるようだが、自分は遭わなかった」とのこと。私はベルリンに着いてその言葉を思い出しましたが、無賃乗車でビクビクしながら車内で過ごすのはとても耐えられませんので、連続して使える7日券を買いました。そして券に打刻を済ませ、晴れて乗り放題となったあとは、検札ってどんなものなんだろうと注意するようになりました。7日券のもとを取るべく、ベルリンの電車に乗りまくって観察した結果、判明しました。検札は確実に行われています。しかも絶妙に、忘れた頃にやってくるのです。

私は見た! 検札の一部始終

車両のドアが閉まり、電車が走り出すときに、検札は不意に始まります。乗客のように座っていた目立たない格好の男性が、おもむろに立ち上がり、まるで隠し持っていたかのように検札用の機械を取り出して「これから検札をします」というようなことを言います。ドアが閉まっていますから外に出られませんし、検札員は離れて二人いるので、隣の車両へ逃げることもできません。一瞬、緊張が走ったと思ったのは私だけのようで、見ていると乗客のみなさんは当たり前のようにチケットを見せています。あの人も、この人も、ちゃんとチケットを買っていたのだと思い知ります。そして私の番が来て、震える手で7日券を渡すと、しっかりチェックして返してくれたのです。

捕まっている旅行者を1日に何度も目撃

こうして検札は終わるのですが、違反していれば次の駅で降ろされ、60ユーロの罰金を払う羽目になります。打刻のし忘れや、時間・ゾーンをオーバーした場合など、うっかりミスでも見逃してはもらえません。外国人だからと許されることもありません。観光客らしきグループが不正乗車を見つかり、ホームで手続きをしている姿を本当によく見かけました。もちろん、何度も電車に乗っていて、そう頻繁に検札が来るわけではありません。でも1週間のうち、私は4回検札を受けました。そんなことなど忘れて観光のことを考えたりしていると、突然に始まるのです。一度は、電車からホームに降り立った直後、そこにいた検札員に「チケットは?」と訊かれました。せっかくの旅行を台無しにしないためにも、チケットは必ず買ってベルリンを楽しみましょう。

充実したベルリンの公共交通機関は、観光の強い味方 充実したベルリンの公共交通機関は、観光の強い味方