「楽聖」の人生をたどる――旧首都ボンのベートーヴェン博物館

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「楽聖」の人生をたどる――旧首都ボンのベートーヴェン博物館

掲載日:2007/08/15 テーマ:美術館・博物館 行き先: ドイツ / ボン ライター:Kei Okishima

タグ: ためになる 音楽 博物館 歴史



ABガイド:Kei Okishima

【ドイツのABガイド】 Kei Okishima
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ライター。早稲田大学第一文学部卒業。ドイツには高校時代に国際ロータリークラブ青少年交換留学でバイエルン州に一年間、大学時代に交換留学でベルリン自由大学、フンボルト大学に一年間留学する。その後ドルトムント大学にてジャーナリズム学科を専攻。現在はフリーライターとしてヨーロッパを中心に活躍中。

ベートーヴェンハウスの外観。この奥の黄色い建物が彼の生家である ベートーヴェンハウスの外観。この奥の黄色い建物が彼の生家である

ベートーヴェンを巡る旅

1949年にドイツが東西に分裂され、当時の西ドイツ首相だったアデナウアーの故郷であるボンが首都として選ばれた。それはまたドイツが統一されたときに首都がベルリンへ戻るようにという願いが込められていた。つまりフランクフルトのような経済の中心地を首都にしてしまうと、統一後に首都移転が難しくなると考えたのだ。
そんなボンの街の中心にはベートーヴェンの銅像が立つ。そう、ベートーヴェンはここボンで生まれたのだった。彼は生涯の殆どをウィーンで過ごしているが、生家は今でも博物館として大切に保管されている。
ベートーヴェンの人生は、とても楽とはいえないものであった。ここベートーヴェンハウスではボン時代、そしてウィーン時代の文書、記録が150以上並べられており、過酷な彼の人生を肌で感じることが出来る

 

ベートーヴェン銅像。悩み深き険しい表情も、もはやトレードマークだ ベートーヴェン銅像。悩み深き険しい表情も、もはやトレードマークだ

才能の芽生え

1770年12月16日に生まれたルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。宮廷歌手である父親を持ち、その父から厳しいピアノのレッスンを受けた。
父自身は特に才能があったわけではなかったようだが、息子の音楽的才能にはいち早く気がつく。父は息子の年齢を偽るなど小細工をしながらモーツァルトのように神童としてもてはやされることを夢見る。実際にはモーツァルトほどの評判は得られなかったが、彼の才能にいち早く注目したヴァルトシュタイン伯爵はベートーヴェンの支援者となる。伯爵の支援により、1784年には専任の宮廷オルガニスト、その後にはヴィオラ奏者となる。それはベートーヴェン一家の金銭面を救った。ベートーヴェンが当時使用したヴィオラはこのベートーヴェンハウス第3展示室に静かに展示されている。

 

展示室の様子。小さい部屋がいくつも並び、床の軋む音が年月を感じさせる 展示室の様子。小さい部屋がいくつも並び、床の軋む音が年月を感じさせる

不幸が彼を襲う

ウィーン時代のベートーヴェンはハイドンに師事し作曲を学ぶ。しかしそれだけでは物足りないと感じた彼は、宮廷楽長だったサリエリなど、他の有名な音楽家たちにも師事を仰いだ。彼らの肖像画は第6展示室の壁に掛けられている。
ベートーヴェンはウィーンで対位法や音声学、音楽技法などを学ぶ。そして1795年に開いた演奏会で希に見る天才ピアニストとして認められることになるのだが、その後ベートーヴェンは耳の不調に悩まされるようになってくる。完全に聞こえなくなるのは40代後半だが、不治の病であることを認識し絶望した彼は31歳のときに静養先のハイリゲンシュタットから「遺書」を書く。第8展示室ではベートーヴェンが実際に使用した補聴器、また遺書や会話帳などを見ることが出来る

 

ベートーヴェンの補聴器。聞こえなくなるとともにどんどん孤独を感じるベートーヴェン ベートーヴェンの補聴器。聞こえなくなるとともにどんどん孤独を感じるベートーヴェン

最期は穏やかに

絶望から復活したベートーヴェンは、その後数々の名曲を補聴器を使いながら生み出している。交響曲第三番『英雄』、交響曲第五番『運命』、第六番『田園』、三大ピアノソナタ『熱情』、交響曲『第九番』ニ短調(合唱付)はこの時代に作られたものだ。第9展示室にはベートーヴェンが死の3日前に書いた遺言書や彼の愛用品が飾られている。
聴覚という音楽家の命を奪われながらも、漲るエネルギーで戦い続けたベートーヴェン。第11展示室に眠るベートーヴェンのデスマスクには、肖像画に見られる険しい表情がようやく消えている――。

 

デジタルコレクションスタジオ。デジタル化された資料をゆっくり見ることができる デジタルコレクションスタジオ。デジタル化された資料をゆっくり見ることができる

【関連情報】

■ Beethoven Haus Bonn(ベートーヴェン博物館)
住所:Bonngasse 18-26, 53111 Bonn
アクセス:Bonn中央駅から徒歩10分。街の中心を目指して歩こう。
電話番号:(49)228-9817525
URL:http://www.beethoven-haus-bonn.de(ドイツ語・英語)
開館時間:
 4月〜10月:月〜土まで10:00〜18:00
 日曜日11:00〜18:00まで
 11月〜3月:月〜土まで10:00〜17:00
 日曜日10:00〜17:00

 
 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/08/15)
※渡航前に必ず現地の安全情報をご確認下さい。http://www.anzen.mofa.go.jp/
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
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