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ドイツ・ケルン・世界遺産の現地ガイド記事
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海外現地発ガイド通信

時代の移り変わりで閉ざされた、「ツォルフェライン炭坑跡」


掲載日:2007/10/22 テーマ:世界遺産 行き先: ドイツ / ケルン

タグ: ためになる 世界遺産 博物館


工業地帯=灰色は間違った先入観

入り口にそびえる昇降機。お土産にはこのシンボルの入ったTシャツが人気 入り口にそびえる昇降機。お土産にはこのシンボルの入ったTシャツが人気

ルール工業地帯内に世界遺産があると聞いた。ルール工業地帯といって想像するのは、煙突から煙がもくもくと排出されて灰色が全体を占めるイメージ。そんなところにある世界遺産は果たして美しいのだろうか?しかし実際、Ruhr(ルール)と呼ばれる地域にたどり着くと、意外なことにイメージが「緑」であった。勿論工業地帯トレードマークの「煙突もくもく」もあちらこちらに見えるが、全体的に清清しい雰囲気なのだ。エッセン中央駅からトラムで20分。ユネスコ世界遺産であるツォルフェライン炭坑跡が見えてくる。ここは1932年から操業開始たヨーロッパ最大の炭坑であった。時代の変化、また良質の炭を取り尽くしたことにより86年に閉鎖することになる。トラムの駅Zollverein(ツォルフェライン)を降りると目の前に高さ55メートルもあるコンパスのような鉄の塔が目に飛び込む。この鉄の塔に向かって足を進めていくと入り口にたどり着く。今ではここのシンボルとなった鉄の塔であるが、これは当時炭鉱員を地下1000メートルまで運ぶための昇降機であった。

バウハウスの原理が実現された美しい炭坑跡

一番奥に見える建物が産業デザイン博物館。審査に合格した商品が「レッド・ドット」という証票を貰い展示される 一番奥に見える建物が産業デザイン博物館。審査に合格した商品が「レッド・ドット」という証票を貰い展示される

まず敷地内に入って驚くのは、「美しさ」である。この昇降機にはなぜか見とれてしまうような美しさがある。そしてその背後に続々と現れる四角く鉄枠で仕切られたレンガの建物も、道路に敷き詰められたレンガの四角と綺麗な対比をなし、圧倒的に美しい。ルール工業地帯内の、かつて世界で一番大きく最も近代的とされた炭坑跡が、まるで近代建築展に建てられた建物のようなセンスの良さを持っているなどと、誰が想像できただろうか。実はここ、バウハウス運動が盛んだったころに造られ、無駄や装飾を無くした美しいデザインが工業分野で実現した場所であった。入り口の昇降機も左右対称に大地へと足を踏み下ろし、バウハウスならではのラインを描いている。

外国人労働者と共通言語を見つけながら共に戦った過酷な労働

機械はどれも巨大で丈夫だが、今は静かに休んでいる 機械はどれも巨大で丈夫だが、今は静かに休んでいる

選炭場はガイド付で見学することが出来る。地下から運び出された石灰は風力、水力によって分別される。機械は今動くことはないが、それぞれの工程内容の説明とともに、巨大な機械の中を皆で覗き込むと、当時の騒音を想像して鳥肌が立つ。また、当時使用していたドリルを持たせてもらったが、持つことがやっと。この仕事で腰や背中を悪くするのも無理はない。またそれらの道具は炭坑内ではポーランド語など、他の国の言葉で呼ばれていたという。当時働いていた外国人労働者の多さを物語っている。閉鎖後は労働者の失業問題が発生し、特に外国人労働者、その家族のその後の生活は、未だ解決しない様々な社会問題として残されている。

炭坑跡の上手な楽しみ方

敷地は広大。入り口かインフォメーションセンターで地図をもらって行動しよう 敷地は広大。入り口かインフォメーションセンターで地図をもらって行動しよう

この見学で残念なのはガイドがドイツ語しかないこと。敷地全体が見渡せる屋上や選炭場の機械、ベルトコンベアーなどはガイド付でないと見ることが出来ない。ドイツ語が分からなくとも、十分見る価値はある。それは退屈だ、という方は、産業デザイン博物館を見学し、あとは敷地内を散歩して回り、インフォメーションセンターのある建物内のカフェ(ちょうど選炭場の下に位置し、機械の下の部分が見える)で雰囲気を味わいながらお茶をするというのもいいかもしれない。

【関連情報】

■Zeche Zollverein(ツォルフェライン炭坑跡)
Gelsenkirchenerstr.181
45309 Essen
(+49) 201-83036-36
http://www.zeche-zollverein.de (ドイツ語、英語)
開館時間:4月〜10月:10:00から19:00まで
11月〜3月:10:00 から17:00 まで、金曜日19:00まで
ガイド料金:大人8ユーロ、学生、子供5ユーロ

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/10/22)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
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