- Kei Okishima
- ライター。早稲田大学第一文学部卒業。ドイツには高校時代に国際ロータリークラブ青少年交換留学でバイエルン州に一年間、大学時代に交換留学でベルリン自由大学、フンボルト大学に一年間留学する。その後ドルトムント大学にてジャーナリズム学科を専攻。現在はフリーライターとしてヨーロッパを中心に活躍中。
出発エリアをに変更しました。
町で仮装していない方が目立ってしまう程仮装率が高い。老夫婦も仲良く仮装で楽しむ
「アラーフ!」という言葉がそこら中で聞こえる新年。カーニバル中はケルンではこう挨拶する。実は年が明ける前の11月からカーニバルの騒ぎは始まる。12月に入ってクリスマスの時期へと突入すると一旦その勢いは減るが年が明けるとさらに勢いが増し、どこへ行ってもカーニバルの歌が聞こえてくる。そしてケルンのデパートの中は仮装道具で一杯になり、町中陽気な雰囲気が漂い始めるのだ。ケルンの名物といえば、権力の象徴「王子」、市民の象徴「農夫」、そして美しさの象徴「乙女」が選ばれることである。これは市民の中から選ばれる。この3人は、カーニバルが終わる灰の水曜日までの間、そこら中で行われるイベントや会議に参加してパレードを取り仕切る。
日曜日に行われるカーニバル。子供達も多く、全体的に可愛らしい雰囲気
カーニバルの開始は、「灰の水曜日」から一週間前の木曜日。つまり今年は1月31日になる。この日は女性の日ということで、女性が町中で騒ぎまわる。なんとこの日、女性は男性のネクタイを切って良い、また誰にでもキスしてよいという習慣があるのだ。そのため、町の行きかう男性を観察していると、ネクタイの着用率が低い模様。また、切られることを前提にいらないネクタイを締める人もいる。もっと気合の入った男性は、なんと女装して男性のネクタイを切り落とす始末。もちろん旧市街に限ってのルールであるが、この日は相手がどんな上の立場の人でも、どんな高価なネクタイを着用していても、女性の力には負けるのだ。この時期に旅行にいく男性は、町で特別に売られている1ユーロのネクタイや紙のネクタイを締めて女性の勢いを見学してみてはいかがだろうか?
投げられたお菓子を必死で取り合う子供達
カーニバルの目玉となる日が今年は2月4日の月曜日。毎年、カーニバルの週の月曜日が「バラの月曜日」と呼ばれ、大規模なパレードで盛り上がる。毎年約200万人が訪れるというこのパレード。パレードに参加しているのは、この日のために準備してきた団体であり、それぞれ有給を使って何週間にも渡り衣装作りなどに励む。それだけに気合が入っており、工夫された衣装を身につけ、派手な山車が現れ、見ごたえは十分。またもう一つみんなが狙っているのはお菓子。「カメレー!!」と叫ぶと、パレードの列から道路の両サイドで見学している人に向かってお菓子が投げられるのだ。本気で集めようと思えば、一ヶ月分のお菓子代が浮くほどの量になる。運が良ければ花やケルンの水として親しまれている4711の小瓶を受け取ることも。必ず袋を持参しよう。バラの月曜日の前日、日曜日にも11時からパレードが行われる。このパレードは主に小学校や各種団体がグループでそれぞれ一つのテーマを決めて参加するもので、月曜日のパレードに比べると比較的見るスペースにも余裕がある。決して空いているわけではないが、人ごみが苦手な人はこちらのパレードをお勧めする。
バラの月曜日のパレード。山車も衣装も本格的で寒さも忘れてしまう程楽しめる
なかなかドイツ人がここまで壊れてはしゃぐことは珍しい。行って損はしないカーニバル。楽しんだもの勝ち、といった考え方は意外にその後の私生活にも応用できるかもしれない。
■ ケルンのカーニバル
女性のカーニバルの日(Weiberfastnacht)1月31日(木)旧市街にて
日曜のパレード(Schull-/veedelszoech)2月3日(日)、月曜日のパレード(Rosenmontag)2月4日(月)両日ともChlodwigplatzを11時11分に出発し、旧市街へ向かって約7kmを4時間程かけてパレードする。スタートを見たい場合はケルン中央駅から路上電車16番(STR 16)に乗りChlodwigplatzまで。(約13分)しかし旧市街でパレードが来るのを待つ方が盛り上がる。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/01/10)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
エイビーマガジンについて