世界最大の大聖堂がそびえ立つ町

ドイツ第4の都市ケルン。町の中心には高さ157メートルの大聖堂(ドーム)がそびえています。ゴシック様式のこの建物は、13世紀に建設が始まり、1880年に完成するまで600年もの歳月を費やしました。中世最大のハンザ同盟の都市として繁栄したこの町を象徴するかのようです。そもそもこの町に初めて大聖堂が建てられたのは4世紀のこと。ライン川を使った物流の拠点として、ローマ帝国の時代から栄えていたのです。当時の名前は、「コロニア・アグリッピナ」。「コロニア」は植民地のことです。これが変じて「ケルン」となったのです。そして面白いことに、ユーラシア大陸では、長い間、ブドウ産地の北限もケルン近辺だったのです。ローマ帝国は、北は現在のイギリスであるブリテン島まで侵攻しましたが、そこはブドウ栽培に適さず、ワインを飲む習慣だけを残したと言われています。ローマ帝国とワインは、深い関係だったのですね。

海外の飲み屋 〜ドイツはケルンのバーでヘナヘナと腰砕け 海外の飲み屋 〜ドイツはケルンのバーでヘナヘナと腰砕け

ケルンのバーで過ごす夜

ケルンからライン川を下っていくと、次第にブドウ畑が川の両側に広がってきます。これがドイツ最大の栽培面積を誇るラインヘッセン、85%が白ワインです。ケルンでの夜のこと、ライトアップされた大聖堂を見ながら、ワインに思いをはせ、入ったのは地元のバーです。しかしやはりそこはドイツです。ワインを飲んでいる人などいません。もちろんのようにビールです。しかも太った店主が押しつけがましく「ケルシュでいいな」と決めてかかっています。もちろんいいですが。「ケルシュ」はケルンでしか飲めないビールなのです。上面発酵のいわゆるエールビールの一種で、香りが高い。色は淡く、柔らかくまろやかな味わいです。「うまいだろ?」。店主も客も、僕に相槌を求めてきます。もちろん答えは「うまい!」です。

どんどん杯が進んで、挙句に……

しばらくすると、客の1人が僕にご馳走してくれました。その酒は透明で、おちょこくらいの小さなグラスに入っていました。「こう飲むんだゾ!」。男は一気に飲み干して、ビールでうがいするように重ねて飲みます。シュナップスと言う蒸留酒で、原材料はジャガイモ。「自家製なんだぜ」と主人は誇らしげです。真似をして飲むと、喉がカーッとなり、度数の高さがうかがえます。なるほどビールでうがいしなくては。こうしてビールも進みます。主人は僕の飲みっぷりを気に入ってくれたらしく、「これはブドウだ」、「これはアンズだ」と次々に自家製のシュナップスをサービスしてくれました。もう僕はクラクラです。挨拶をして店を出ようと立ち上がった瞬間、ヘナヘナとその場に崩れ落ちました。何とかホテルには戻りましたが。みなさんも、ドイツでは、シュナップスには要注意です! 飲みやすいので、飲み過ぎてしまうようです。