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海外現地発ガイド通信

東洋趣味だったアウグスト強王の離宮、ドレスデン郊外のピルニッツ城


掲載日:2020/02/09 テーマ:城・宮殿 行き先: ドイツ / ドレスデン

タグ: 公園 珍しい 歴史


外観も内部も珍しい装飾が施されたピルニッツ城

エルベ河畔に建てられ、船着き場の階段まであったピルニッツの水の城 エルベ河畔に建てられ、船着き場の階段まであったピルニッツの水の城

ドレスデンはアウグスト強王抜きでは語れない。ドレスデンを今日の美しい町にしたのも、ヨーロッパで初めて白磁器を生産したのも、数々のエピソードを残したのも、すべてアウグスト強王なのだ。行く先々で彼の名を耳にするが、人気スポットのピルニッツ城も強王が建てた東洋趣味の城である。ドレスデンから船でエルベ川を7キロほど遡った所にある。河畔に優雅な姿で佇む宮殿は「水の城」と呼ばれ、庭園側から見ると中国風の装飾が施されている。庭を挟んだ向かい側の「山の城」では、入った直ぐの大きなホールに日本の風景を描いた壁画が多数みられる。羽付きやコマ回しなど、正月遊びの子供の絵が描かれている。日本の絵を入手して描いたそうだ。景徳鎮や有田焼など白磁器を通じて東洋に憧れていたアウグスト強王の趣味が伺える。

最愛の妾にピルニッツ城をプレゼント

水の城は庭園側の外壁に中国風の装飾が施されている 水の城は庭園側の外壁に中国風の装飾が施されている

アウグスト強王は1670年にザクセン選帝侯であるヨハン・ゲオルク三世の次男として誕生。父なき後は兄が選帝侯となるが、その兄は在位わずか3年で病死したため次男のフリートリヒ・アウグストが位を受け継いだ。彼は力持ちで異常な怪力ぶりを人前で発揮したため「強王」のあだ名で呼ばれるようになる。力が強いだけでなく、女性にも強かったため公の妾が11人もいた。その中で最も有名なのが5番目の公妾、アンナ・コンスタンティアである。男爵夫人だったアンナは強王と出会って見初められ、夫と離婚して1706年に強王の公妾となった。アンナは強王の計らいで皇帝から女性伯爵の身分を与えられ、それ以来、コーゼル女伯爵と呼ばれるようになる。コーゼルはドレスデンでは有名人で、アウグスト強王を語る際に必ず一緒に登場するほどだ。

コーゼル失脚後に強王が現在の2つの城を建設

ホールの壁には正月にコマを回して遊んでいる日本の子供が描かれている ホールの壁には正月にコマを回して遊んでいる日本の子供が描かれている

ピルニッツ城は地元の領主が15世紀初頭に建てたもので、1694年にアウグスト強王の兄が購入した。ところが購入間もなく兄が亡くなり城は強王のものに。強王はピルニッツ城をコーゼルに与えた。その当時の城はエルベ川に沿って敷地の南側にあったが19世紀初頭に火災で焼失してしまった。公妾の地位は永遠ではなく、コーゼルは1716年に失脚。ピルニッツ城は再び強王の元へ。城は1720年から全面的に改築された。あのツヴィンガー宮殿を手掛けたバロック建築の巨匠ペッペルマンを起用し、庭を挟んで東洋風の2つの城を新たに建設。それが現在の水の城と山の城である。水の城は中国風だが、山の城は日本風で、内部の壁画には当時の日本の日常生活がかなり正確に描かれている。

こんなに大事にされている日本の椿

庭園を挟んで水の城の向かい側にある山の城 庭園を挟んで水の城の向かい側にある山の城

もう一つ、見逃せないのが庭の大木、椿である。椿など、日本ではどこにでもあるので珍しくないが、ドイツでは貴重らしい。庭の椿は日本から持ち込まれた。その年代は不明だが、ピルニッツ城に移されたのは1801年のこと。アウグスト強王は1733年に亡くなっているが、存命中だったらさぞかし喜んだであろう。この椿、たいそう過保護で冬になると温室に入れられる。最初の頃は毎回ガラスの部屋を作って被せ、春になると取り除いていた。大変なので近年になって移動式温室が造られ、レールで動かすようになった。その日は予め新聞で知らされるので見物客が集まるという。今は温室に合わせて椿はカットされるためこれ以上大きくならないが、それでも毎年およそ35000輪の花を咲かせている。なにかと日本との繋がりがあるピルニッツ城。是非、訪れてみよう!

データ

夏の間に伸びた枝はカットされるが、それにしても温室が狭くなってきた日本の椿 夏の間に伸びた枝はカットされるが、それにしても温室が狭くなってきた日本の椿

ピルニッツ城
Schloss Pillnitz

住所:Augst-Bockstiegel-Strasse 2
電話:(0351)261 3260
開館時間:庭園は夏場は6:00〜日没、冬場は10:00〜16:00
     城は5月から10月の月曜を除く10:00〜18:00
入館料:庭園は3ユーロ、城は8ユーロ
アクセス:
 ドレスデン市内からS1、S2でDresden-Strehlenへ。斜め左前のKarcheralleeからバス63番で終点のドレスデン・シュロス・ピルニッツDresden Schloss pillnitzへ。所要時間約40分。
 ※船を利用の場合は帰りの下り片道だけがお勧め(約1時間半)。行きは川のぼりになるので時間がかかる。船着き場は水の城の隣にある。

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2020/02/09)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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