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海外現地発ガイド通信

ザクセン選帝侯はマイセンのアルブレヒト城から始まった


掲載日:2020/06/08 テーマ:城・宮殿 行き先: ドイツ / ドレスデン

タグ: 珍しい 美しい 歴史


素晴らしい色彩が施されたアルブレヒト城内

城のホールには城名となったアルブレヒト公の色鮮やかな木彫り像が見られる 城のホールには城名となったアルブレヒト公の色鮮やかな木彫り像が見られる

グリーンともブルーとも言えぬ濃い青、ピンクがかった赤、明るい紫。ふんだんに使われているゴールド。こんな色のインテリアがドイツの中世の城にあるだろうか。実はこのインテリア、中世の城が19世紀後半に全面的に改修されて施されたもので、意外と新しい。ここはドイツ東部のマイセン。ドレスデンから郊外電車でわずか35分ほどの、マイセン磁器で有名な町だ。エルベ河畔の城山に聳えているのは大聖堂とアルブレヒト城。エルベ川の左岸は旧市街でマルクト広場を中心に北側に城山があり、平らな南側にマイセン磁器工場と博物館がある。マイセンの城は、マイセンを統治していたアルブレヒトに因んでアルブレヒト城と呼ばれている。旧市街を抜けて城山への階段を登って行こう。旧市街を巡回しているミニバスがあるので登りはそれを利用すると楽だ。

基礎となる最初の城は10世紀に建てられた

アルブレヒト城正面中央に、城の見学に欠かせない螺旋階段がある アルブレヒト城正面中央に、城の見学に欠かせない螺旋階段がある

アルブレヒト城は駅から歩いて来ると大聖堂に隠れて見えないが、城山へ上がってくると白亜の城が姿を現す。正面に立派な螺旋階段があるのが特徴で、フランスのブロワ城にある有名な「フランソワ一世の螺旋階段」を連想する。マイセンに最初の城が建設されたのは929年と大変早く、東フランク王国(後のドイツ王国)のハインリヒ一世王の命によりザクセンとチューリンゲンの防御砦として建てられた。息子のオットー大帝の時代に砦を守る辺境伯がマイセンに置かれる。マイセン辺境伯のベッティン家はヨーロッパでも1,2を争うほど古い家系で1423年にはザクセン選帝侯に昇りつめ、あのアウグスト強王の祖となった。1464年にザクセン選帝侯フリードリヒ二世が亡くなると2人の息子エルンストとアルブレヒトが共同でザクセン領土を管理したが続かず、1485年に領土を分割して二人は分かれた。

マイセンを受け継いだアルブレヒト系がドレスデンで繁栄する

壁画中央にベッティン家の兄弟が描かれ、手前が兄のエルンスト、前向きで描かれているのが弟のアルブレヒト 壁画中央にベッティン家の兄弟が描かれ、手前が兄のエルンスト、前向きで描かれているのが弟のアルブレヒト

城内は鮮やかな色彩のインテリアで、各部屋にベッティン家の歴史を物語る壁画がある。ホールには神聖ローマ皇帝フリードリヒ三世からザクセンの統治権を授かるベッティン家の兄弟が描かれている。後に二人は分かれ、兄エルンストがザクセン選帝侯となり弟のアルブレヒトはマイセンからドレスデンにかけて治めるザクセン公になった。以来、マイセンの城はアルブレヒト城と呼ばれるようになる。エルンスト系は後に男系が絶えて選帝侯の位はアルブレヒト系に渡るが、エルンスト系の分家したザクセン=コーブルク=ゴータ家はイギリスやベルギー、ポルトガルなどの王女と結婚して各王室にドイツの血を入れている。アルブレヒトの嫡男ゲオルクは16世紀に居城をドレスデンに移した。そのためマイセンは宮廷都市でなくなり、華やかさが消えていく。アルブレヒト城は17世紀半ばから空き家になってしまった。

アウグスト強王は先祖の城を磁器製作所にする

アウグスト強王がアルブレヒト城で賓客を迎えた際、地元産ワインを入れてもてなしたという大きな鍵の形をしたマイセン磁器 アウグスト強王がアルブレヒト城で賓客を迎えた際、地元産ワインを入れてもてなしたという大きな鍵の形をしたマイセン磁器

空き家だったアルブレヒト城に目を付けたのがアウグスト強王だった。白磁器をヨーロッパで初めて造ることに成功した強王はマイセンに製作所を置いた。燃料に必要な薪は筏(イカダ)にしてエルベ川を流す。高台の孤立した城は製造秘密を守るのに最適な場所だった。アルブレヒト城は1710年から磁器製作所となり、それはなんと150年以上も続いた。1864年、ようやく町の南端にマイセン磁器工場が完成し、移転する。工場として使われていた城は傷みが激しかった。城内の修復が始まり、19世紀末の新しい色彩が用いられて今日の姿に生まれ変わる。現在、1階にマイセン磁器に関する歴史的な展示がある。 “巨大な螺旋の石”と呼ばれている螺旋階段も見所の一つ。石段を支える「ささら桁」のよじれ方は力学なのか芸術なのか、よく判らないが複雑な美を生み出している。多くの魅力に包まれたアルブレヒト城の見学はマイセン磁器ファンにとっても欠かすことができない。

データ

複雑な構造の螺旋階段 複雑な構造の螺旋階段

アルブレヒト城
Albrechtsburg Meissen
住所:Domplatz 1, 01662 Meissen
電話:+49 (0) 3521 4707-0
開館時間:10:00〜18:00(11月から3月は〜17:00)
入館料:8ユーロ
https://www.albrechtsburg-meissen.de/en/home/

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2020/06/08)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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