ワールドカップに沸き立つ新市街

ドレスデン旧市街は、バロックの威容あふれる重厚な建築物が並び、ドイツの中で最も王都の風格を感じることのできる魅力的な街です。そして、ガイドブックにはあまり詳しく載っていませんが、エルベ川をはさんだ新市街ノイシュタットもまた、旧市街とは違った魅力のあるエリアです。私がノイシュタット駅の近くのホステルに荷を下ろした日は、ちょうど2014年のワールドカップの準々決勝の日でした。着いた時には残念ながら試合は終わっていましたが、ドイツがフランスに勝ち、車がみなクラクションを鳴らしながらドイツ国旗をなびかせて走っていました。

ガイドブックには詳しく載ってないけれど、ドレスデンの新市街は楽しい! ガイドブックには詳しく載ってないけれど、ドレスデンの新市街は楽しい!

アバンギャルドでエスニックなエリア

アルベルト広場から大通り(バウツナー通り)を東に曲がってすぐの、Alauensrtaßeという北に延びるやや細い通りに入ると、この通りから北東に広がるエリアが若者に人気のスポットです。この日は路地という路地がどこも若者たちで埋め尽くされ、大変なにぎわいでした。腕や足にびっしりタトゥーをいれた若者がいっぱいいます。外壁一面にアバンギャルドな壁画がペイントされた建物があり、ベトナムやタイ、中東や中華などのエスニックレストランや、『入ってみたいけどちょっとビビるなあ』と思わせるバーやクラブが並び、路上では次の試合を待つブラジル人たちが太鼓をたたいています。私にとってはベルリンよりもよほどこっちの方が魅力的に感じられました。

新市街の新名所「クンストホーフ・パッサージュ」

Görlitzestrasseをしばらく歩くと、「Kunsthof Passage」と書かれた牛の看板が出ています。路地を入った先に中庭があり、そこを過ぎるとまた中庭が…。いくつもの中庭がつながったこのパッサージュ(通路)が、ノイシュタットの新名所「クンストホーフ・パッサージュ」です。この中にはカフェやレストラン、雑貨のショップなどが入っているのですが、それぞれの建物に施された装飾が非常に個性的で面白いのです。雨どいがオブジェのように芸術的に壁を這う建物や、キリンやサル描かれた建物もあります。新市街には、通りの外側から見ただけではわからない、素敵な中庭がいくつも隠れていました。

実は旧市街よりも古い新市街

日曜日の夜、また新市街の路地を歩いてみました。日曜だけあって、ショップやレストランはほとんど閉まっています。街灯は暗く、人通りの少ない路地を歩いていると、なんだか旧東独時代にタイムスリップしたような気分になりました。それもそのはず、新市街とはいっても、第2次世界大戦の空襲でも旧市街ほど壊滅的な被害を受けなかったため、実は旧市街よりむしろ古い街並みが残っているのです。シニアのヨーロッパ人観光客でにぎわうレストランの灯りが眩しい旧市街に比べて、ボヘミアンのたまり場のような雰囲気が漂い、どこか懐かしさを感じる新市街。ドレスデンを訪れたら是非、新市街にも足を運んでみてください。