陶磁器界の至宝マイセン

ドイツのマイセンといえば、西洋の陶磁器の頂点に君臨する名窯です。白磁にブルーの絵付けがなされたブルーオニオンのシリーズは、日本人にも非常に人気があります。今では世界に50種類のブルーオニオンが存在するそうですが、本家本元はこのマイセン。ドイツのフッチェンロイター、チェコのカールスバードとともに世界三大ブルーオニオンのひとつに挙げられています。マイセン窯は、かつてのザクセン王国の都だったドレスデンの近郊にあるマイセンの町で生まれました。

ドレスデンの陶磁器コレクションで、マイセンと日本の陶磁器の融合の歴史を知る ドレスデンの陶磁器コレクションで、マイセンと日本の陶磁器の融合の歴史を知る

ヨーロッパの貴族の憧れだった東洋の白磁

17世紀まで貴族のあこがれである白磁は、中国や朝鮮半島、日本でしか製造できませんでした。そこで「強王」と呼ばれたザクセン王アウグスト1世の命を受けて製造に成功したのがマイセンの磁器だったのです。マイセンが高級陶磁器だということは知っていても、その価値がまったくわからなかった私は、ドレスデンのツヴィンガー宮殿内にある陶磁器コレクションを訪れました。ここにはマイセンで作られた数々の傑作のオリジナルが展示されています。また、王のコレクションだった中国や日本の素晴らしい陶磁器もずらりと並んでいて壮観です。

マイセンの名品に日本の陶磁器の名残を見る

『日本や中国の陶磁器は美しいなあ』と感激した後は、いよいよマイセンの歴史的名品を見ていきます。そして、マイセンがものすごく中国や日本の影響を受けた陶磁器なのだということがわかりました。古伊万里のオレンジと青と金の組み合わせや、中国では皇帝を表していたドラゴンの絵柄が、初期のマイセンに見事に取り入れられていたのです。あのブルーオニオンも、もとは日本や中国の磁器に描かれていたブルーのザクロ柄が伝わった時に、ザクロがまだ一般的ではなかった西洋でタマネギと間違えて図案化されたものなのでした。私たちは西洋のものは優れていると思いがちですが、こうやってマイセンの歴史を見ると、その源流は東洋にあったのだと実感します。

そして結局はマイセンのすごさに圧倒された

さらに展示物を見ていきます。強王が作らせたという実物大(!!)の白磁の動物の像や、花や人物の置物の超繊細な造形は、ついつい感嘆の声が漏れてしまうほどの見事さでした。テーブルウェアよりも、私はこちらの方がずっと面白かったです。陶磁器コレクションを見た後に、旧市街のマイセンのショップに行ってみました。これまでは正直なところ全然いいと思わなかったマイセンの陶磁器でしたが、その歴史を知った後だとドラゴンのモチーフのお皿も途端に素晴らしく思えて、ついつい欲しくなったほどです。もちろん私には手の出ないお値段だったので諦めましたが…。いつか一客くらい自分用のカップが買えたらいいなと思いつつ、また旧市街の観光に出かけたのでした。