ドイツの古都ドレスデンは世界遺産でした

ドイツの古都ドレスデンは、第二次世界大戦のとき壊滅的な被害を受けたものの、見事に復興しました。そして、ドレスデンを流れるエルベの流域ともあわせ、ドレスデン・エルベ渓谷として2004年にユネスコ世界遺産に登録されました。エルベ河周辺には、歴史ある宮殿がありますし、ドレスデン旧市街には、聖母教会やゼンパーオパー、ツヴィンガー宮殿など見どころがたくさんあり、世界遺産にふさわしいと思います。ところが、現在はドレスデン・エルベ渓谷は世界遺産ではないのです。いったいどうしたのでしょうか。

ドイツの観光地ドレスデンは、世界遺産なの? ドイツの観光地ドレスデンは、世界遺産なの?

渋滞緩和のための橋を建設しよう

奇しくも、ドレスデンが世界遺産に登録された年に建設計画が確定したのですが、エルベ河に大きな橋をかけることになりました。ドレスデン旧市街は渋滞が問題になっていて、橋はその緩和のためのものでした。それはワルトシュレスヘン橋というのですが、全長635メートルのコンクリートと鋼鉄のもの。4車線もある大きな橋です。どう考えても、ドレスデン旧市街の街並みとミスマッチな橋ですね。そこで、ユネスコが動き、橋がかけられると景観が損なわれるので世界遺産としては認められないとドレスデン市に通告したのです。

ドレスデン市民の考えは?

そこで、ドレスデン市民が、どう判断したのかが興味深いところです。ドイツ人は、古いものを大切にする国民性で、しかも合理的に考える人々です。もちろん「世界遺産」という立派な肩書きは惜しいものの、これからの自分たちの生活のことを考えました。彼らは橋をかけることにしたのです。そして、2009年にドレスデン・エルベ渓谷は世界遺産の登録を抹消されました。世界遺産であったのは、わずか5年だけでした。2013年08月に、ワルトシュレスヘン橋が出来上がり、ドレスデン市民の交通はとても便利になりました。そんなわけでドレスデン・エルベ渓谷は、世界遺産クラスの見どころでありながら、世界遺産ではないという不思議な立場なのです。旧市街自体は、相変わらず美しいので、ぜひドレスデンに行ってみてくだいね。