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海外現地発ガイド通信

現世人類の親戚、ネアンデルタール人から得る生命力の旅


掲載日:2007/11/14 テーマ:歴史 行き先: ドイツ / デュッセルドルフ

タグ: ためになる 博物館


ネアンデルタール人発掘の町

入り口ではネアンデルタール人がお出迎え。この横にあるネアンデルタール人の顔つきに変化できるプリクラは人気 入り口ではネアンデルタール人がお出迎え。この横にあるネアンデルタール人の顔つきに変化できるプリクラは人気

Neanderthal(ネアンデルタール)は、緑に囲まれ晴れた日の散歩がとても気持ちが良いが、私が訪れたその日は雨が降っていて、霧がかった道を歩いていくとなんだかミステリアスな気持ちになった。ネアンデルタールという言葉は聞いたことがあっても、実際にどこにそれがあるのか、知る人は少ない。実はここ、日本人も多く住むデュッセルドルフから東にたった15km離れた場所にある。ここが有名になったのは、もちろんネアンデルタール人が発見されたからだ。

絶好のタイミングで発見された人骨

博物館はらせん状にスロープをあがっていくように作られている。どの展示品にも工夫が見られる 博物館はらせん状にスロープをあがっていくように作られている。どの展示品にも工夫が見られる

ここで人骨が発見されたのは1856年のことだが、この発見の3年後にチャールズ・ダーウィンが『種の起源』を発表した。そのためネアンデルタールで発見された人骨は注目を浴びることになる。というのは、実はこれ以前にもベルギーやジブラルタルで同じ種類の人骨が見つかっているのだが、キリスト教の教えを信じる西洋社会の中で、当時は誰もそれに注目する者がいなかった。この世が出来てからまだ数千年しか経っていないと信じられていたのだ。絶好のタイミングで発見された人骨は、ネアンデルタール人として研究が進められていくことになる。そしてそれが約25万年前の氷河期に出現し、約3万年前に滅亡した人類の一種であることが分かっていく。

人類の発達をたどるネアンデルタール博物館

他の人骨の展示と同じ形式で展示されているいわば『近代人骨』。人間が生み出した道具が人間の体の一部となり得る今の世の中を表している 他の人骨の展示と同じ形式で展示されているいわば『近代人骨』。人間が生み出した道具が人間の体の一部となり得る今の世の中を表している

ここネアンデルタールには博物館がある。この博物館ではネアンデルタール人を軸に、生きること、人類発達ついてテーマを設定して訪問者に問いを投げかけてくる。単なる歴史博物館とは違い、オーディオ設備や謎の棚など工夫された展示がされており、ぐいぐいと中に引き込まれていく。昔からあった習慣は今でも形を変えて残っているものだ。それは道具を開発することであり、神を信じること(宗教)であり、社会を形成することである。基本的に欲求しているものは昔も今も変わらない。しかし進化を見ていると、同じ社会を形成するにも権力や支配によって生まれた格差、常に便利さや効率の良さを優先させた結果、自然に敬意が払われなくなった現代の問題点が浮き彫りになってくる。また、技術の進化によって作り上げられた体の機能の代理には、人工骨、心臓ペースメーカー、義足など様々な種類がある。展示室『道具と知識』では、それらの代理を集めて組み立てられた人間の姿も展示してあり、その足元には無数の薬のカプセルが散らばる。もちろんこれらの開発がどれだけ我々にとって重要であるかは言うまでもない。しかしその姿はネアンデルタール人の歴史を知ったあとには恐ろしく異様に見える。

発掘場が放つ歴史のオーラ

一番初めにネアンデルタール人が発見された場所。この横は整備されていて散歩することが出来る 一番初めにネアンデルタール人が発見された場所。この横は整備されていて散歩することが出来る

21世紀を生きる我々に残されている課題は沢山ある。しかしこうして歴史をたどっていくと、自分の中には実は脈々と受け継がれている歴史が潜んでいるのだ、ということが身に染みる。博物館の外を歩いていくと、最初に人骨が発見された場所に辿り着く。そこには大きな石碑が建っており、たった今博物館で感じた歴史の重みが蘇る。新たな生命力が体内に注ぎ込まれた気分だ。この小さな町で体験できる大きな遺産を、一度体験してみて欲しい。

【関連情報】

■ Neanderthal Museum(ネアンデルタール博物館)
住所:Talstr. 300, 40822 Mettmann
デュッセルドルフから電車S28番で15分。Neanderthal駅下車徒歩5分。
(電車を降りると所々に博物館を示す看板が出ている。かなり細い道を
下っていくことになる)
電話番号:(+49)2104 . 979797
ホームページ:http://www.neanderthal.de/(ドイツ語、英語、オランダ語)
開館時間:火曜日〜日曜日 10:00〜18:00
休館日:毎週月曜日、12月24日、31日
入場料:大人7ユーロ、子供4ユーロ、割引(学生等)4,5ユーロ

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/11/14)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
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