王が生まれたの時代の境目だった!

前編からの続きです。フュッセンで外せないのが、なんと言ってもノイシュヴァイシュタイン城でしょう。この地方のバイエルン王、ルートヴィッヒ2世が建てたもので、1886年に完成しています。明治に入って、日本でサムライが姿を消しつつあったのとちょうど同時期、ドイツでは騎士と王国が消え、この地にあったバイエルン王国も、ドイツ帝国に呑み込まれようとしていました。そんな時代の境目に、あだ花のように咲いたのが、この華麗なノイシュヴァイシュタイン城です。ルートヴィッヒ2世は、ほかにもヘレンキムゼー城や、リンダーホフ城を建てていますが、財政が悪化し、またシュタルンベルク湖で謎の死を遂げたことから、「メルヘン王」とも「狂王」とも呼ばれています。

ロマンチック街道を自由に旅するスケジュールを作っちゃお 後編 ロマンチック街道を自由に旅するスケジュールを作っちゃお 後編

王の内面に日本の武士を見た!

ノイシュヴァンシュタイン城には、フュッセン駅前からNo.78、73のバスで15分ほど、Hohenschwangau(ホーエンシュバンガウ)下車です。ルートヴィッヒ2世は幼少時、ホーエンシュバンガウ城で育てられました。城内は、ノイシュヴァンシュタイン城より見ごたえがあります。時代の境目に生まれたルートヴィッヒ2世は、父君のような力強い騎士に憧れていました。それが築城へと、彼の情熱を駆り立てたのではないでしょうか。この城に来ると、そんな想像が胸に迫ってくるのです。。勇ましげな武具の数々が展示され、中世騎士伝説をモチーフとした壁画が描かれています。刀を捨てられず、ちょんまげを切れなかった明治初頭の日本の武士の面影を、ルートヴィッヒ2世に見てしまうのは、僕だけでしょうか? ノイシュヴァンシュタイン城とホーエンシュバンガウ城は、必ずセットで見ていただきたいお城です。

この城で、ワーグナーとルートヴィッヒ2世の関係を知る

ルートヴィッヒ2世が愛したものが、もうひとつあります。それがワーグナーの音楽です。ノイシュヴァンシュタイン城も、「世界をワグナーオペラ化する」という考えのもとで建造されました。それが具現化されたのが、リンダーホフ城の洞窟です。ワーグナー作『タンホイザー』をイメージして作られました。洞窟に音楽が流れているのは、ちょっと気持ち悪いです。そしてコッテコテの華美なリンダーホフ城の内部も圧巻です。対になって配置された鏡によって、自分の姿が鏡に映り続ける鏡の部屋を見ると、ルートヴィッヒ2世が、相当なナルシストだったような気がしてきます。

路線バスを自在に使って

リンダーホフ城には、フュッセンから9606番のバス(途中でヴィース教会に寄ります)で、オーバーアマガウまで行き、そこから9022番のバスで30分弱です。オーバーアマガウの村は、家々の壁に童話や宗教画のフレスコ画が描かれており必見です。オーバーアマガまで行けば、そこからは列車でミュンヘンに行けます。このように見所の多いロマンチック街道ですので、じっくりと見てもらいたいです。そのためには、ありきたりのコースに乗るのではなく、自分なりのスケジュールを作ってみてはいかがでしょうか?