- Kei Okishima
- ライター。早稲田大学第一文学部卒業。ドイツには高校時代に国際ロータリークラブ青少年交換留学でバイエルン州に一年間、大学時代に交換留学でベルリン自由大学、フンボルト大学に一年間留学する。その後ドルトムント大学にてジャーナリズム学科を専攻。現在はフリーライターとしてヨーロッパを中心に活躍中。
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ここからの眺めを写したポスターは数多くあるが、実際の景色は写真と比較にならないほど美しい
ライン川の支流ネッカー河畔の古都、ハイデルベルク。「川と城と橋」という組み合わせは風景美の三大要素と言われているが、ハイデルベルクはまさにその3要素を備えた町だ。ネッカー川に架かる石橋、小高い丘の上に聳える古城、その下に広がる旧市街。ポスターにしても本の表紙にしても絵になる風景である。この美しさゆえに、日本でのドイツ旅行の観光スポットとなった。
古い石橋「カール・テオドール」橋
まず、ハイデルベルクの町が最も美しく眺められる場所へ行こう。ここは旧市街の対岸、ネッカー川の北側の丘で、駅から行くには大きなテオドール・ヒュス橋を渡って2本目の道を右に入る。するとすぐに「哲学の道Philosophenwegフィロゾーフェンヴェーク」が始まる。この道はハイデルベルク大学の学生たちが哲学を考えながら散歩したことからこう呼ばれるようになった。ここからは町の素晴らしい眺望が得られる。「哲学の道」自体は何もない小道なので、ひたすら対岸の旧市街と城を眺めながら散歩をする。十分眺めた頃に、下へ下りるショートカットのジグザグ道がある。
橋のたもとにある猿の銅像。ユニークなデザインで記念撮影に最適
ジグザグ道を下りてくると、目の前に有名なカール・テオドール橋が現れる。通称「古い橋(Alte Brueckeアルテブリュッケ)」と呼ばれている石橋だ。ここにはかつて木橋が架かっていたが、度重なる氾濫のため選帝侯カール・テオドールの命により18世紀に架け替えられた。橋にある塔はかつて牢獄だった。旧市街側へ渡ると、橋のたもとに近世になって設置された猿の銅像がある。見物人に鏡を差し出して、みな己の醜さを知れ、と諭しているが、何故かみな猿の顔の窪みに頭を入れて記念撮影をしている。マルクト広場の美しい建物は、1592年に裕福な市民によって建てられた館。1693年に領土継承をめぐってフランス軍が町を焼き払った折、唯一焼け残った館である。てっぺんに騎士の胸像が飾られていることから「騎士の家」と呼ばれている。現在は「Zum Ritter」という由緒あるホテル&レストラン。館内には騎士に因んで騎士の石像や鎧兜が飾られている。古い館なのでホテルの部屋はそれぞれタイプが異なり、どの部屋も小ぢんまりと趣がある。レストランはちょっと高級だが、どれを選んでも当たりはずれがない。ハイデルベルクへ来たらここへ泊るか、せめて食事だけでもしてみたい。
レストラン「ツーム・リッター」にある騎士の鎧
第二次世界大戦中、ハイデルベルクはアメリカ軍に占領されていた。しかし、ここにアメリカ軍の司令部があったことが幸いして町は爆撃をまぬがれた。「騎士の家」以外に16世紀以前の建物はないが、大戦の被害を受けていないので17世紀以降の建物がそっくり保存されている。“私はハイデルベルクで心を失った(夢中になった)”という学生歌も生まれ、ドイツ各地の酒場で歌われるほど有名だ。フランクフルトから近いこともあって根強い人気の町である。
オススメのホテル&レストラン
■Hotel Zum Ritter St.Georg(ホテル ツーム・リッター)
Hauptstr. 178 , 69117 Heidelberg
電話:(+49)6221 135-0
http://www.ritter-heidelberg.de/(英語・ドイツ語)
アクセス:フランクフルトから急行で1時間弱(普通電車で1時間半弱)
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/04/18)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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