日本が豪州に衝撃的な敗戦を喫した小都市・カイザースラウテルンを今、改めて訪ねる

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日本が豪州に衝撃的な敗戦を喫した小都市・カイザースラウテルンを今、改めて訪ねる

掲載日:2008/03/06 テーマ:サッカー観戦 行き先: ドイツ / マンハイム ライター:元川悦子

タグ: サッカー スタジアム ワイン



ABガイド:元川悦子

【サッカー観戦のABガイド】 元川悦子
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長野県出身。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。著書に「U−22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)「古沼貞雄 情熱」(学習研究社)ほか。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。W杯は94年大会から4回連続で現地取材した。現在も日本代表ウォッチャーとして世界各国を回っている。

小さな町の繁華街にあるサンマルチィンス・キルヒェ(教会)。町歩きは半日もあれば十分だろう 小さな町の繁華街にあるサンマルチィンス・キルヒェ(教会)。町歩きは半日もあれば十分だろう

フランクフルトから所要時間1時間半。気軽に立ち寄れる田舎町

ミュンヘン、シュツットガルト、ニュルンベルクと南から旅しているドイツ編。次なる訪問地は2006年6月12日、ジーコ監督率いる日本代表がドイツワールドカップでオーストラリア代表に衝撃的な逆転負けを喫した因縁の場所・カイザースラウテルンだ。「そんな悪夢を思い出したくない!!」と言う人も多いだろうが、こじんまりした町やスタジアムの雰囲気は決して悪くない。そこであえて今、この町を取り上げてみることにしたい。
カイザースラウテルンはフランス、ルクセンブルク、ベルギーと国境を接するラインラント=プファルツ州にある人口10万人弱の小都市。フランクフルトからはIC(インターシティ)に乗ってマンハイムへ出て、ローカル線に乗り換える。所要時間は約1時間半とそれほど遠くない。

 

数年前までドイツ1高いといわれたカイザースラウテルン市庁舎の展望台から見た町の全景 数年前までドイツ1高いといわれたカイザースラウテルン市庁舎の展望台から見た町の全景

文京区と姉妹都市。市庁舎から見る町の全景は圧巻。飲み物はワインがお勧め

小さな町だけに、どこへ行くにも歩いて回れる。市街地のシンボルである「サンマルティンス・キルヒェ(教会)」に近いエリアはブティックやカフェなどが立ち並び、特にオシャレで華やいだ雰囲気だ。ここから少し北側に歩くと、モダンな博物館やラートハウス(市庁舎)がある。ここは地上22階建て・84mで、数年前までは「ドイツ1高いラートハウス」だったという。東京都庁と同じようにエレベーターで最上階にまで上がることも可能だ。冬場は美しい雪景色を一望することができて、心が洗われる気がする。ラートハウスの近くには「ヤーパニッシュ・ガルテン(日本庭園)」もある。カイザースラウテルンは東京都文京区と姉妹都市。その縁で2000年にオープンしたようだ。我々日本人にはここも1つの見どころだろう。
カイザースラウテルンの食に関しては、フランスの影響を強く受けている。ラインラント=プファルツ州ではワインの方がポピュラーだ。白、赤、ロゼとどれも地元の銘柄があり、熟成された味がする。地ビールは「ビショッフ」と「カールスバーグ(デンマークのビールとは綴りが違う)」が2大メーカーで、いずれもピルスナーだ。実際に試してみたが、かなり軽く飲みやすかった。カイザースラウテルンはワイン好きにもビール好きに楽しめる街といえる。

 

ドイツワールドカップも開かれたフリッツ・ワルター・シュタディオン ドイツワールドカップも開かれたフリッツ・ワルター・シュタディオン

選手の一挙手一投足が手に取るように分かるフリッツ・ワルター・シュタディオン

本題のサッカーに話を移そう。ワールドカップの会場だった「フリッツ・ワルター・シュタディオン」はカイザースラウテルン中央駅から見える、ガラス張りの巨大な建物だ。駅から歩き、地元クラブ「1FCカイザースラウテルン」のチームショップ前を通って急な坂道を10〜15分ほど上がると、スタジアム正面ゲートにたどり着く。ここ「べッツェンベルグの丘」から見渡せる町の景観もまた趣がある
同スタジアムの名前は、カイザースラウテルン一筋で、1954年のスイスワールドカップでの西ドイツ優勝時の主将を務めた名FW、フリッツ・ワルターにちなんでいる。収容規模は約4万2000人。中に入ると、赤で彩られたスタンドと「Kaiserslautern」と描かれた白い文字の美しいコントラストが目に飛び込んでくる。サッカー専用だけにピッチの臨場感は抜群だ。オーストラリア戦の時はあまりに太陽光線が強すぎて、ピッチが眩しかった記憶がある。いずれにせよ、選手の一挙手一投足が手に取るようにわかるスタジアムだといえる。

 

中央駅からスタジアムへ行く途中に見られるサッカー選手の像 中央駅からスタジアムへ行く途中に見られるサッカー選手の像

かつてクローゼを発掘し、代表に押し上げた1FCカイザースラウテルンにも注目!

ここに本拠を置く1FCカイザースラウテルンは1900年創立。かつてドイツ代表FWクローゼ(現バイエルン)やMFバラック(現チェルシー)がプレーしていたクラブとして知られる。クローゼはここカイザースウテルンの出身。2000〜2001年頃まで地元の3部クラブームでプレーする無名選手だった。そんな彼が1FCカイザースラウテルンに引き抜かれ、その活躍を見たルディ・フェラー元ドイツ代表監督が代表チームに召集。2002年日韓ワールドカップでの大ブレイクにつながった。この地に足を踏み入れれば、シンデレラボーイのルーツに触れることもできるのだ。オーストラリア戦の悪夢、あるいはオーストラリアが決勝トーナメント1回戦でイタリアをあと一歩のところまで追い詰めた名勝負など含め、フリッツ・ワルター・シュタディオンにはさまざまな歴史が詰まっている。その重みを実際に確かめてみたいものだ。

 

ドイツワールドカップの日本対オーストラリア戦の整列。まさかこの後にあんな悪夢が起きようとは… ドイツワールドカップの日本対オーストラリア戦の整列。まさかこの後にあんな悪夢が起きようとは…

ブンデスリーガ2部の試合観戦もまた一興。日程確認は「キッカー」の公式HPから

ただし、1FCカイザースラウテルンは現在、ブンデスリーガ2部で戦っている。しかも2月下旬の時点では16位と3部降格ゾーン(18チーム中下位4チームが降格)に入っている。とはいえ、ブンデスリーガ2部のレベルも決して低くない。リーグの日程はドイツのサッカー専門誌「キッカー(Kicker)の公式HP(http://www.kicker.de/fussball/2bundesliga/spieltag/tabelle/)から確認できる。これを活用して観戦計画を立てながら、ドイツの田舎町の雰囲気を堪能したい。

 
 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/03/06)
※渡航前に必ず現地の安全情報をご確認下さい。http://www.anzen.mofa.go.jp/
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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