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海外現地発ガイド通信

メルヘンなページをめくりながら歩く、バイオリンの町 ミッテンヴァルト


掲載日:2007/11/07 テーマ:歴史 行き先: ドイツ / ミュンヘン

タグ: すごい! メルヘン 博物館


アルプスを背景に立ち並ぶフレスコ画の町並み

壁全体に描かれたフレスコ画は圧巻 壁全体に描かれたフレスコ画は圧巻

オーストリアとの国境に近いミッテンヴァルトには、この町を有名にさせた2つの見所がある。まず町中に広がるフレスコ画。フレスコ画とは、壁に塗られた漆喰がまだ乾ききっていない状態の時に上から絵を描く技法であり、中に染み込む分保存性に優れている。ドイツの、特に南の地方では町のどこかにフレスコ画の描かれた家を見ることができるが、ミッテンヴァルトのようにフレスコ画の描かれた家が集中して見られる地域は珍しい。ゲーテがこの町を「生きた絵本」と絶賛したように、町を散歩していると次々とメルヘンなページがめくられていくかのようだ。

町にバイオリンの技術をもたらしたクロッツ

町の中心部。右にも左にも美しいフレスコ画の家が並び、その裏にはアルプスが 町の中心部。右にも左にも美しいフレスコ画の家が並び、その裏にはアルプスが

そんな町を歩いているとあらゆるところにバイオリンのマークがみられる。そう、ここの2つ目の見所はバイオリン製作にある。この町をバイオリンの町にしたのはMatthias Klotz(マティアス・クロッツ)という一人のバイオリン職人であった。彼は17世紀、イタリアで20年に渡りバイオリン製作の修行を積み、故郷ミッテンヴァルトに帰ってバイオリン製作を始めた。10歳の頃から修行を開始したというから、それはそれは大変な苦労だったに違いない。クロッツは、ストラディバリ(2006年に最高価格4億円で落札された名器を生み出したイタリアのバイオリン職人)と共に修行をしており、その技術は確かなものであった。故郷では多くの弟子にその素晴らしい技術を伝え続け1858年にはミッテンヴァルトにバイオリン学校が設立される。今でもヨーロッパは勿論、世界の様々な国からこの学校にバイオリン製作を学びに生徒が集まっている。ちなみにモーツァルトもクロッツ作のバイオリンを持っていた。

バイオリンの歴史ここにあり バイオリン博物館

小さなバイオリン工房の様子。親方になるまでには様々な工房での長い修行が必要 小さなバイオリン工房の様子。親方になるまでには様々な工房での長い修行が必要

この町にはバイオリン製作所のほか、いくつもの小さなバイオリン工房が点在する。通りすがりに窓から中を覗くと、懸命に職人たちがバイオリンと向き合っている姿が見られる。一本の木が職人の手によって削られ、組み立てられ、研ぎ澄まされた音色を生み出すこの工程を間近に見ると、心に熱いものが流れてくる。町の中心部には2005年に改築されたばかりのバイオリン博物館があり、ここではクロッツのバイオリン製作から現在までの製作の歴史を見ることが出来る。素人の目にはそれぞれのバイオリンの違いが見て取れなくても、バイオリン製作者たちは一目で名器を見分けられるという。また、自分が製作したバイオリンはどんなに沢山ある中からでも見つけ出せるというから驚きだ。木の特徴つかみ、10年乾かした木を使って、出来上がりの音色を常に体内に流しながら手を進めていく。ベテランの製作者は木の買い付けも自分で行い、一本作るのに約一ヶ月かかるという。生きている木を、他の生き物へと導いていく、そんな仕事なのだと実感する。こういう背景を知ると、一つのバイオリンの見方も全く変わってくる。

旅の最後は次なる目標が

クロッツの銅像。クロッツは今でもミッテンヴァルトの人々の誇りだ クロッツの銅像。クロッツは今でもミッテンヴァルトの人々の誇りだ

外に出て辺りに広がるアルプスの山々を眺めながら、これまでそんなにバイオリン演奏に興味があったわけではないのに、すぐそこの国境を越えてオーストリアへ、そして音楽の町ザルツブルクまで足を伸ばしたいという思いがこみ上げる。教会広場に立つクロッツの銅像を拝みながら、この町に出会えたことに感謝してしまうような、そんな素敵な町であった。

【関連情報】

■Geigenbaumuseum Mittenwald(ミッテンヴァルト バイオリン博物館)
住所:Ballenhausgasse 3, 82481 Mittenwald
電話番号:+49 (0) 8823 / 2511
ホームページ:http://www.geigenbaumuseum-mittenwald.de/(ドイツ語)
開館時間:2月1日〜3月15日、5月15日〜10月14日、12月16日〜1月6日:10時〜17時まで、それ以外の期間:11時〜16時まで
閉館日:月曜日、11月5日〜12月15日、12月24日、31日
入場料:大人4ユーロ、子供2ユーロ、学生等割引3ユーロ
ミッテンヴァルトへのアクセス:ミュンヘンから列車で約2時間

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/11/07)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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