日本のメジャーなビールの多くはラガー

みなさんは日頃どのようにビールを楽しんでいますか? 仕事終わりに居酒屋で…、晴れた日のBBQのお共に…、お風呂上りの1杯! このような場面でキンキンに冷えたビールがあったら最高ですよね。そこで思い浮かべるような「冷たくて美味しいビール」の多くは、「下面発酵」という製法で作られた「ラガー」に分類されるビールです。一方、レストランやバー、パブなどに行って海外のビールを飲んだときに、香り豊かで風味が独特なものに出会ったことはありませんか? おそらくそれは、「上面発酵」という製法で作られた「エール」に分類されるビールだったのだと思います。この2つの製法について、今回は紹介してみようと思います。

オランダのラガービール、ハイネケン オランダのラガービール、ハイネケン

低温で作るラガービール

下面発酵の「ラガー」は、その名の通り発酵の際にビール酵母が下に沈んでいきます。また、低温(10度前後、商品によっては零下でも!)で長時間かけて発酵させるため、工場での大量生産に向いており、日本だけでなく世界的にも、より広く流通しているのはこのラガービールです。もともとはドイツのバイエルン地方で使われていたローカルな製法だったそうで、秋の終わりにビール樽を氷とともに倉庫に貯蔵し、翌年の春に取り出していたことから、「貯蔵」を意味する「ラガー」の名が付いたそうです。19世紀に冷蔵庫が発明されたのをはじめ、殺菌法や酵母の研究が進み、この製法によるビールが一躍大量生産されるようになります。すっきりとした味わいで一緒にとる食事の種類を選ばないため消費量も多く、大量生産&大量消費されるビールブランドの多くがこのラガービールとなりました。

日本と海外のラガービール

日本では、アサヒスーパードライやキリンラガー、サッポロの黒ラベル、サントリーのプレモル、そして沖縄のオリオンビールなど各メーカーの主力商品がラガーに分類されます。海外のビールでは源流とも言えるチェコ発祥のピルスナー(多くのラガービールはこのピルスナーのスタイルで作られています)をはじめ、世界一の生産量を誇るアメリカのバドワイザー、オランダのハイネケン、デンマークのカールスバーグ、フランスのクローネンブルグ、中国の青島ビールなどはすべてラガービールです。また、ドイツで作られるビールにはラガーが多く、ピルスナースタイルの多くの黄色いビールに加え、色の濃いシュバルツや黒ビールのデュンケルなどの系統のビールもすべてラガーです。これらのビール(特にドイツビール)の中にも香りや風味に違いはありますが、比較的普段イメージしている「ビール」に近い味わいのものが多いと思います。(後編につづく)