ベルリンの壁崩壊によってポツダムに戻り、「犬の墓」で静かに眠る大王の墓

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ベルリンの壁崩壊によってポツダムに戻り、「犬の墓」で静かに眠る大王の墓

掲載日:2009/01/28 テーマ:城・宮殿 行き先: ドイツ / ポツダム ライター:Kei Okishima

タグ: すごい! 宮殿 歴史



ABガイド:Kei Okishima

【ドイツのABガイド】 Kei Okishima
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ライター。早稲田大学第一文学部卒業。ドイツには高校時代に国際ロータリークラブ青少年交換留学でバイエルン州に一年間、大学時代に交換留学でベルリン自由大学、フンボルト大学に一年間留学する。その後ドルトムント大学にてジャーナリズム学科を専攻。現在はフリーライターとしてヨーロッパを中心に活躍中。

大王と呼ばれているフリードリヒ2世の騎馬像 大王と呼ばれているフリードリヒ2世の騎馬像

偉大なプロイセン王フリードリヒ2世

プロイセン王フリードリヒ2世の功績は、彼が「大王」と呼ばれていることから分かるように偉大なものであった。兵隊王と言われている厳格な父から優れた軍隊を譲り受け、ハプスブルク家を打ち負かすなど諸外国と戦い勝利をおさめる。その一方、母譲りの繊細な感性を生かし、幼いころから音楽や文学に親しんでいた。そしてサンスーシ宮殿という夢のような宮殿を造りあげ、そこに癒しを求めるようになる。そこには男性しか立ち入ることが許されなかったため、大王はホモであるという噂さえ残っている。

 

愛犬の墓の横に並ぶ大王の墓。ここまで辿り着くのに長い年月がかかった 愛犬の墓の横に並ぶ大王の墓。ここまで辿り着くのに長い年月がかかった

大王が残した奇妙な遺言とは?

そんな大王には子供がいない。そのため彼が大事にしていたのは甥のハインリッヒであり、わが子のように可愛がっていた。しかしそのハインリッヒが不幸なことに若くして命を落とす。悲しさに明け暮れた大王は、次第に全ての愛情を犬に注ぐようになっていった。彼は11匹のグレーハウンド犬を飼い、傍においていた。そして1744年には自分用の墓を愛犬の墓地に造らせ、死後は犬と一緒に自分の亡骸を葬るようにと遺言を残す。しかしいざその時がやってくると、大王の遺言はまったく無視されてしまい、兵隊王と呼ばれた父親と同じくポツダムのガルニソン教会へ葬られてしまう。

 

大王の墓石。今でも多くの旅行者が大王の墓を訪れている 大王の墓石。今でも多くの旅行者が大王の墓を訪れている

死後もドイツ各地を彷徨う大王

しかしこの話はここで終わらない。第二次世界大戦の末期、ベルリン陥落が近づいた。そして危機を感じたドイツ軍将校が大王と兵隊王の棺をガルニソン教会から運び出したのだ。安全な場所として選ばれたのがチューリンゲンの岩塩抗。そこに埋められて静かに大戦が終結するのを待つことになる。ところが大戦後、チューリンゲンはソ連軍の占領下に置かれることになった。そしてソ連軍が監視する中を今度はアメリカ軍が棺を運び出す。そして西ドイツ領マーブルグのエリザベート教会に運び込まれ、最終的に祖先の城であるヘッヒンゲンのホーエンツォレルン城にたどり着き、城の礼拝堂に安置された。

 

兵隊王と呼ばれた大王の父が眠るフリーデンス教会 兵隊王と呼ばれた大王の父が眠るフリーデンス教会

やっと念願の墓地へ

そしてとうとうポツダムへ里帰りする日がやってきた。それはベルリンの壁崩壊を迎え、ドイツ統一が実現したためだった。1991年8月17日、テレビ局が終日実況中継する中、2人の棺はサンスーシ公園に運ばれた。兵隊王の棺はフリーデンス教会へ、そして大王はようやく愛犬の側に葬られることとなった。それはフリードリヒ大王の205回目の命日の日のことであった。今でもサンスーシ宮殿東端にある墓で、11匹の犬と静かに眠っている。大王の辿った数奇な運命を思いながら、サンスーシ宮殿とともにぜひ見ておきたい墓である。

 

【関連情報】

■ Schloss Sanssouci(サンスーシ宮殿)
住所:Maulbeerallee, 14469 Potsdam
電話:(+49)331 96 94 20 2
開館時間:サンスーシ宮殿 11月〜3月 10:00〜17:00、4月〜10月 10:00〜18:00 月曜休館
アクセス:ベルリン中央駅からポツダム中央駅まで行き、そこからバス(612番、614番、695番など)に乗りサンスーシ宮殿(Schloss Sanssouci)下車。ベルリンから40分から1時間程で着く。

 
 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2009/01/28)
※渡航前に必ず現地の安全情報をご確認下さい。http://www.anzen.mofa.go.jp/
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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