橋の上がスパイの交換所 そんな暗い時代が終わった20年前のあの日

ドイツ・ポツダム・歴史の現地ガイド記事

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橋の上がスパイの交換所 そんな暗い時代が終わった20年前のあの日

掲載日:2009/08/31 テーマ:歴史 行き先: ドイツ / ポツダム ライター:Kei Okishima

タグ: イベント 史跡 歴史



ABガイド:Kei Okishima

【ドイツのABガイド】 Kei Okishima
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ライター。早稲田大学第一文学部卒業。ドイツには高校時代に国際ロータリークラブ青少年交換留学でバイエルン州に一年間、大学時代に交換留学でベルリン自由大学、フンボルト大学に一年間留学する。その後ドルトムント大学にてジャーナリズム学科を専攻。現在はフリーライターとしてヨーロッパを中心に活躍中。

この橋が歴史の舞台となったグリーニカー橋 この橋が歴史の舞台となったグリーニカー橋

平和な時間が再びやってきた グリーニカー橋の歴史

遊覧船が行き交い、穏やかな時間が流れる。グリーニカー橋からは、アレキサンダー・フォン・フンボルトも絶賛した美しい風景が広がる。こんな当たり前の平和がどれだけ有難いものなのか、身に染みて感じている市民はまだ多くいる。今からちょうど20年前の1989年11月9日の夜、ベルリンの壁が崩壊した。ベルリンのブランデンブルク門前の壁に市民がよじ登り、ハンマーで壁を砕く映像は世界中に放映され、多くの人に感動と勇気を与えた。壁というシンボルが打ち砕かれる映像はあまりにも印象的で、“壁崩壊”というとあの映像ばかり頭に浮かぶ。

 

グリーニカー橋(=統一の橋)は20年前にようやく東西を結びつけた。 グリーニカー橋(=統一の橋)は20年前にようやく東西を結びつけた。

ブランデンブルク門だけではない 感動のシーン

しかし実際には他の場所でも同じように感動的なシーンが繰り広げられていた。ユングフェルンゼーに架かるグリーニカー橋がその一つ。この橋はベルリンとポツダムを結ぶ幹線道路上にある。かつて、このど真ん中が東西ドイツの境界線になっていた。 この橋は17世紀初頭に架けられ、その後は時代の変化に合わせて姿を変えていく。1907年には鋼鉄製の橋になったが、この橋は第2次世界大戦時に爆破される。現在ある橋は戦後の1949年末に再建されたものである。しかし橋が再建されたとき、すでにドイツは東西に分かれていた。この橋は2つのドイツを結ぶ意味を込めて「統一の橋」と名付けられる。 壁が開かれたとき、東ドイツのポツダム市民がこの橋の向こうから、西ベルリン市民がこちら側から橋を渡ってきた。見ず知らずの両市民たちは、橋の真ん中で抱き合った。

 

グリーニカー橋を渡る。ここでスパイの交換が行われたなど、今では想像できない。 グリーニカー橋を渡る。ここでスパイの交換が行われたなど、今では想像できない。

実際にあったスパイの交換 

1961年にベルリンの壁が出来てからは、ここはベルリンで一番厳しい検問所として有名になった。そしてもう一つ、ここが特別な場所であったのは“スパイの交換場”であったこと。東ドイツ政府、西ドイツ政府はそれぞれが逮捕したスパイをここで交換していた。合計38名が交換されたと記録されている。横山秀夫の小説で映画にもなって話題を呼んだ『半落ち』の中にも、裏取引をするという意味で「グリーニカー橋を渡る」というセリフが使われている。スパイの橋と呼ばれるほど、スパイ小説の舞台になっていた橋だ。

 

グリーニカー橋のあるユングフェルンゼー。静かで平和な時間が戻ってきた。 グリーニカー橋のあるユングフェルンゼー。静かで平和な時間が戻ってきた。

ぜひ参加したい 壁跡を回るウォーキング

今年はベルリンの壁崩壊20周年。そこでグリーニケ橋からスタートしてかつての壁跡を回るウォーキングツアーが人気を集めている。9月までの第2、第4日曜日、およびドイツ統一記念日の10月3日と壁崩壊記念日の11月9日に行われる。戦後にポツダム会談が行われたツェツィーリエンホフ宮殿も通るので、歴史の重要なポイントを回る絶好のチャンス。ン&ポツダムの観光の際に是非、参加したい特別ツアーである。

 

■グリーニカー橋からベルリンの壁跡をまわる 
期間:2009年9月までの第2・4日曜日、および10月3日、11月9日
料金:大人9ユーロ/学生・シニア7ユーロ
所要時間:2.5時間
チケット販売:ポツダムツーリストインフォメーション
(住所:Brandenburger Strasse 3)
集合時間/場所:11:00グリーニカー橋(ベルリン側)
言語:ドイツ語・英語

 
 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2009/08/31)
※渡航前に必ず現地の安全情報をご確認下さい。http://www.anzen.mofa.go.jp/
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
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