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ドイツ・レーゲンスブルク・美術館・博物館の現地ガイド記事

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海外現地発ガイド通信

最近日本でも注目を浴び始めた「嗅ぎタバコ」とレーゲンスブルク

掲載日:2019/02/03 テーマ:美術館・博物館 行き先: ドイツ / レーゲンスブルク ライター:吉村 美佳

タグ: ためになる 珍しい 博物館 歴史



ABガイド:吉村 美佳

【ドイツのABガイド】 吉村 美佳
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南ドイツの世界遺産都市、レーゲンスブルク在住。観光局公認ガイドとして働くうち、この街を、もっと皆に知ってほしいと、強く願うようになりました。歴史に絡めたネタや、お薦めホテル、地元の注目イベント、ビールや、珈琲、料理ネタもしっかり発信していきます。

T字路にある、白っぽい建物。北側から見た所。1970年代後半から加速した、レーゲンスブルクの建物の大幅改築。その中でも一番最後に改築されたという。一見シンプルで平凡な建物のようですが、実は大切な重要文化財です。 T字路にある、白っぽい建物。北側から見た所。1970年代後半から加速した、レーゲンスブルクの建物の大幅改築。その中でも一番最後に改築されたという。一見シンプルで平凡な建物のようですが、実は大切な重要文化財です。

レーゲンスブルクの中でも知られた家系「ツァント」の家が工場に

ここ、レーゲンスブルクでも最も重要な役割を果たした家系、というのがいくつかありますが、その一つが「ツァント」という貴族です。
13世紀に建てられたこの家は、ロマネスク様式に後期ゴシック様式がふんだんに取り込まれたもの。1771年に、公爵一家トゥルン・ウント・タクシスが買い取り、図書室、古文書館として使用していたものを、1812年に売却。それを買い取ったのが、ベアナルド兄弟です。
そして、その建物を改築せずそのまま嗅ぎタバコの工場にしたのだとか。嗅ぎタバコを製造する際に、6.5トンもの重さの樽がいくつ置かれていましたが、一つの部屋に複数の樽が置かれても底が抜けない。それはまさにゴシックの天井が、重さを分散させているからなんだそうです。
ツァントの家だけでは手狭なので、隣にあったインゴルシュテッターの家を買い足して、1998年まで嗅ぎタバコの工場がありました。
2008年、100ほどあった部屋のうち、3部屋をそのまま残し、嗅ぎタバコ博物館として公開するようになったのです。

 

博物館内の一部屋。 博物館内の一部屋。

嗅ぎタバコ博物館

レーゲンスブルク市は、世界遺産として誇りあるこの街の歴史を一般公開することに、ここ数年力を入れています。
その中の一つが、この嗅ぎタバコ博物館です。
毎週金、土、日曜日の午後2時半から1時間ちょっとのガイド付きツアーを開催しています。まだ嗅ぎタバコの香りが残るこの工場を見学できるのは、非常に面白いことだと思います。
チケットは、すぐ隣のカフェ・アナで購入します。1枚5ユーロで、事前または当日に購入可能。ガイド付きツアー直前に買うときは、時間にゆとりを持って行ってください。人気のカフェなので、少し待たないといけないかもしれません。
ツアー開始時間に、建物の入り口で待っていると、ガイドさんがやってきて、まず外観を眺めながら説明を受けます。
私が行った時は、近郊の町シュトラウビングから来た二人組のおばさんと私だけで、こじんまりとしたツアーでした。内部では1987年に撮影された映像を見ながらガイドさんの補足を聞いたりしました。案内してくれたガイドさんは、当時のレーゲンスブルクのことをよく知っている人で、興味深いお話が聞けました。

 

博物館内には、このように樽がいくつも置かれていて、その内部は、テーマ毎の展示になっています。 博物館内には、このように樽がいくつも置かれていて、その内部は、テーマ毎の展示になっています。

その時代のゲサンテン通りと街の状態

レーゲンスブルクは、神聖ローマ帝国の帝国議会が度々行われた街です。13世紀から15世紀に、富豪商人によって建てられた大きな家は、空き部屋が多く、帝国議会にやってくる人の宿として非常に適したものでした。ここゲサンテン通りは、直訳すると「貴族通り」とでも言うのでしょうか。18世紀頃から徐々にこのように呼ばれるようになったのですが、たくさんの貴族が入り浸った通りのようです。
嗅ぎタバコ工場の働き手は、大抵が女性だったのだそうです。戦争で男手の少なかったとき、女性が積極的に働ける場所だったと。一部、80度や50度など温度をかけての製造工程もありますが、それは温度を上げやすい夏場に限定して蒸気で温度をかけていたのだそうです。暑い作業場での仕事は大変だったでしょうね。そして、今でも嗅ぎタバコの香りが残っていますが、当時はプンプンすごく臭ったことでしょう。

 

ここは、工場の頭脳部分にあたる部屋。ここで、新しいレシピが考案されたりしています。今でも、棚の中には、いくつか嗅ぎタバコが入っていて、ツアーの最後に匂いを嗅がせてもらいました。 ここは、工場の頭脳部分にあたる部屋。ここで、新しいレシピが考案されたりしています。今でも、棚の中には、いくつか嗅ぎタバコが入っていて、ツアーの最後に匂いを嗅がせてもらいました。

レーゲンスブルクと嗅ぎタバコ

1493年、コロンブスがアメリカからタバコの種を持ち帰り、万能薬としてヨーロッパに紹介されました。例えば、頭痛薬、胃腸薬として、歯が痛い時にも効果があるとか、
ポルトガルやイギリスで、盛んにタバコが生産されていましたが、ドイツで最初にタバコ製造を手がけたのが、このベアナルド兄弟です。1733年当初、フランクフルトのすぐ側、オフンバッハで製造していましたが、その支店としてレーゲンスブルクの工場が作られました。オフンバッハから移動させると、国境を超えるたびに税金が課せられるので、ここレーゲンスブルクに嗅ぎタバコ工場を作ったのです。
タバコの葉は、南国で育つものですが、ここレーゲンスブルクでは、温度が十分に上がらず、マイルドな味を求め、研究を重ねた結果、シュマルツラーと呼ばれる種類の嗅ぎタバコが生まれました。製造過程にマーガリンを使用し、味をマイルドにさせたところが起源のようです。

 

大聖堂近くにあるタバコ屋さん「Goetz」には、たくさんの嗅ぎタバコがあります。バイエルンの中でも最も取扱品種が多いお店かもしれません。 大聖堂近くにあるタバコ屋さん「Goetz」には、たくさんの嗅ぎタバコがあります。バイエルンの中でも最も取扱品種が多いお店かもしれません。

今なぜ嗅ぎタバコが注目されるの?

嗅ぎタバコは、嗅ぐタバコです。火を使わないので危険性も少なく、他人に煙を吹きかけることもないので、人に迷惑をかけないタバコとも言えます。しかも、ニコチンは含むものの、タールを含まないので、タバコとは言え、害が少ないとも言われています(諸説あり)。
昔は、頭痛薬などとしても使われていたそうですよ。
禁煙しようとしても難しい人に、最近日本でも注目を浴びているそうですね。その動きは日本ばかりではないようで、ドイツでも同様に人気が上がっているそうです。一般に、レストランなどあちこち禁煙が進んでいるのは、ここドイツも同様で、タバコの値段も、びっくりするほど高額です。一方、嗅ぎタバコは、10gが人ケースに入っていて、2.5ユーロ前後です。
お土産に是非ということであれば、大聖堂の近くにあるタバコ屋さんで買えるます。
レーゲンスブルクのものもあれば、イギリスのものもあるようです。店員さんも話しやすい感じの方ばかりで、買い物の相談にものってもらえそうです。

 
 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2019/02/03)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
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