- 西谷ゆうか
- ドイツ・ローテンブルク3年目、「Ekuko's Wine&Gift Shop」勤務。世界各国からの観光客に囲まれて楽しくにぎやかな日々を送りながら、いかに楽しく安く贅沢に旅行できるかを日々研究中!!絶対行きたいドイツの魅力を紹介していきます。ローテンブルクで皆様に出会えることを願って・・・
出発エリアをに変更しました。
パン屋が規定よりも小さいパンを売って罰として入れられた籠と奥の方に見えるのは絞首刑台で写真を撮る少年
ローテンブルクの旧市街は城壁にすっかり囲まれ、あちこちに塔や門があります。その中にはガルゲン門(Galgentor)「絞首台門」という名の門もあります。表面的にはとてもかわいらしい町並みのローテンブルクも、町を守るために城壁をつくらなければならなかった時代、町の中に罪人を公開処刑する場所があった時代があったという事実を思い知らせてくれる場所があります。それが中世犯罪博物館です。博物館の入口には中に手と首を入れて記念撮影できる絞首刑用の台がありますので、是非記念に1枚撮ってみてはいかがでしょう。
辱めのマスクでさえ色んな形や種類がある。罪人はこのマスクを被らされ町中で見せしめにされた
入口を入ると床に矢印があるのでそれに従っていくと地下から3階まで全ての展示が見られるようになっています。見たこともない拷問器具がずらり展示されていてちょっと圧倒されてしまうかも?!ドイツ語、英語の他に日本語の説明書きがある展示品もあるのでわかやすいです。授業中居眠りをした生徒の罰として動き続ける木馬、喧嘩した男女を仲直りするまで向かい合わせておく4つ穴(顔2つに手4本)の一枚板、おしゃべりな女用の舌の長いマスクなどなど、今では考えられないような拷問器具ばかりです。中世の罪人に対する罰は、公開性を持っていて民衆の前に見せしめにされることが多かったようです。
18世紀に使われていた、貨幣の価値を量るはかり。町には偽金づくりの達人もいたようです
犯罪博物館には、12〜19世紀のドイツの立法や司法(拷問器具も含まれる)の歴史について3000点を超える展示品があります。拷問器具だけでなく、中世の色んな法律やその形成について書かれた資料、当時のパスポートと渡航記録、貨幣の価値を量るはかりなど、さすがドイツで唯一の法律を扱う博物館なだけあります。法学を学んでいる学生さんにもオススメ。
捕まえた魔女をこの椅子に座らせ、足を鉄の鎖で縛った
中世から近世にかけてヨーロッパでは盛んに魔女狩りが行われました。魔女といえばホウキにまたがって空を飛ぶ、そんなイメージですが当時の魔女は、あらゆる理由によって迫害された女性のことです。魔女容疑をかけられ罰せられた人達は実際には助産師の役割をした人、薬などを開発する化学者などの賢い女性達が多かったそうです。単に誰かの恨みを買った人やマイノリティの人達も魔女狩りの対象とされていたため多くの女性が魔女狩りの対象になったようです。この時代、今に負けず劣らず「出る杭は打たれる」時代だったようですね。
オマケ写真。中世の裁判の再現劇より、罪人が罰として泉に沈められるシーン(帝国自由都市祭にて)
ロマンチックな町並みが残るローテンブルクの裏の顔「中世犯罪博物館」。最短1時間で見学できるので、是非足を運んでみて下さい!!
■Mittelalterliches Kriminalmuseum(中世犯罪博物館)
住所:Burggasse3-5,91541 Rothenburg o.d.T
アクセス:マルクト広場から南へ徒歩2分、ヨハネス教会の隣。
電話番号:(+49) (0)9861-5359
URL:http://www.kriminalmuseum.rothenburg.de/Japanisch/musjap.html(日本語。もっと詳しく見たい方は英語かドイツ語のページを見てください)
開館時間:4月〜10月が09:30-17:15
3月、12月が10:00-15:30
11月、1月、2月が14:00-15:30(最終入場の時間)
休館日:なし
入館料:大人3,80ユーロ(約600円)学生2,60ユーロ(約400円)6歳以上の子供2,20ユーロ(約350円)
その他:館内写真撮影OKです。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/09/21)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
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