天空の修道院群「メテオラ」

古代ギリシャ遺跡など、ギリシャには数多くの世界遺産がありますが、その中でもダントツのインパクトを誇るのがメテオラの修道院群です。「メテオラ」とは「空中に吊り上げられた」とか「空中に浮いている」という意味で、ロッククライミングでしか登れないような、高さ400mの険しい奇岩の上に修道院が建っています。俗世との接触を完全に断絶するために、四方が崖の岩の上に修道院を建て、祈りと瞑想に耽ることを決意した孤高の修道僧たちの思いが現代に伝わってくるようです。

奇観!!断崖絶壁の岩の上に建つギリシャにあるメテオラの修道院 奇観!!断崖絶壁の岩の上に建つギリシャにあるメテオラの修道院

人里離れた修道院はあまたあれど

ブルガリアのリラの僧院、スペインのモンセラの修道院など、多くの修道院が、俗世から離れるために人里離れたところに建てられてきました。トルコのスメラ修道院も断崖に建てられていますし、カッパドキアの洞窟修道院は、修行の場として、また異教徒から隠れるために岩を穿って造られました。しかし、メテオラの修道院の、俗世の拒絶のし方と命がけの信仰心には鬼気迫るものすら感じます。メテオラの岩上修道院は11世紀に建てられ始め、最盛期の15〜16世紀には24の修道院がありました。その後衰退しましたが、6つの修道院が今でも活動しています。

ビザンチン美術の至宝を見る

かつては縄ばしごを昇ったり、網袋に入って上から滑車で引っ張りあげてもらったりして修道院に入りましたが、20世紀になって橋や階段が整備され、わたしたちも訪れることができるようになりました(今でも修道士は観光客を避けて手動ロープウェイを使います)。修道院の中では、礼拝堂のビザンチンの美しいフレスコ画や博物館、食堂の設備などを見ることができます。修道院内の見学の際は、露出の多い服装は避けましょう。女性のズボン姿もだめですが、ショールで腰を覆うか、入り口で巻きスカートを貸してもらえます。

奇岩群の絶景も楽しみましょう

メテオラを訪ねる拠点になるのはカランバカという町です。アテネから1泊2日のバスツアーを利用するのが一般的です。鉄道での日帰りも可能ですが(メテオラでの滞在は4時間半ほど)、個人でカランバカに来たらこの町で1泊するのがおすすめ。修道院巡りにはタクシーをチャーターすると楽ですが、カランバカから路線バスで登り、徒歩で修道院をまわるとあちこちのビューポイントで絶景も楽しめます。帰りは岩山のあいだのトレッキング道を村まで歩いて戻りましょう。メテオラが世界遺産になっているのは修道院だけではなく、塔のような奇岩が60以上ある岩山の自然の景観も含まれています。岩山のトレッキングもまたメテオラの魅力のひとつなのです。