- アリサンドラトゥー芳香
- イタリアのトスカーナに4年、そしてギリシャ、ペロポネソス半島北部の港町パトラ在住13年。ギリシャの大学生に日本語を教えながら、翻訳などもしています。小学生の子供が二人いるので、子連れの旅行についての情報や、もともと好きな遺跡等に関する情報、地中海料理などについて発信中!また、ブログ「地中海とカフェDiary」ではギリシャ生活について綴っています。
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新年おめでとう!2008年と書かれた「ヴァシローピタ」。新年の食卓で、家族みんなでいただくのが習慣です
ギリシャの新年の儀式のようなものといえば、ヴァシローピタと呼ぶケーキを切ること! このケーキ、家の大黒柱であるお父さんが切るのが伝統で、最初の一つ目はキリストに、二つ目はその大黒柱のお父さん本人へ、三つ目は貧しい人々に、などと切り分ける手順が一応あります。なんだか日本で仏壇にお供えするのに似てますね! 会社などでも仕事始めにこのケーキを切る習慣があります。ケーキはバターと小麦粉がたっぷりのどっしりした生地に粉砂糖がかかっていて、上には新年おめでとうなどと書かれています。この時期にギリシャを旅行すると、ホテルなどでも食べるチャンスがあるかもしれませんね! 楽しみは、なんといっても運試し!ケーキには一つだけコインが入っていて、運がよければ、自分に切り分けられたケーキから見つかるかもしれません。
ギリシャの大晦日の夜は、夜中に出かけて、ごちそうを食べてカウントダウンをしたり、ギリシャ独特のブズーキャと呼ばれるナイト・スポットで生演奏を聞きながらお酒を飲んだりしてわいわい過ごす人、またはギリシャに3箇所あるカジノへ出かける人などで一杯です。新年になると同時に、あちこちで花火も上がります。前回クリスマスの話で紹介しましたが、ギリシャにサンタさんがやってくるのは、この大晦日の夜なので、子供たちは新年の朝は早起きしてプレゼントを楽しみにしています。1月1日はギリシャでは聖ヴァシリスの日にあたっていて、サンタさんのギリシャでの名前もこの「聖ヴァシリス」なのです。ギリシャではみな聖人にちなんだ名前を持っていて、その聖人と同じ名前の人々は、それぞれの聖人の日を誕生日以上ににぎやかに祝います。というわけで、この日はギリシャ全土の男性ヴァシリスと、女性ヴァシリキなど、聖ヴァシリスにちなんだ名前を持つ人々が祝う日でもあるのです。
クリスマスの飾りやイルミネーションは1月6日まで飾られます。1月6日の祝日はキリストが洗礼ヨハネに洗礼された日にあたります。ギリシャ正教では、朝のミサが終わると司祭さんと大勢集まった人々は海へ向かい、司祭さんが十字架を海へ投げ込みます。これは十字架によって水を清めるという意味合いがあります。この十字架を拾い上げるために、勇気のある子供や若者が寒中水泳で海に飛び込んで十字架を見つけるというのが、毎年ギリシャ全土各地で行われる伝統行事です。新年にギリシャを旅行する方は、心に留めておいてくださいね。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/01/15)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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