アクロポリス遺跡の目の前にある古代アゴラ

アクロポリス遺跡と並んで、アテネ観光の目玉となっている古代アゴラ。アゴラとは「市場」という意味がありますが、古代ギリシャ時代は、人が集まる「公共広場」の意味も含んでいました。当時は買い物に出かけるのも男性のみで、彼らが集まっては政治や哲学について談話した場所、というわけです。アクロポリス遺跡と変わらないほど大きな規模の古代アゴラ遺跡。ぜひ遺跡内を歩いて、当時の活気あった雰囲気を想像してみましょう!

アテネの外せない観光スポット、古代アゴラのここがすごい!(前編) アテネの外せない観光スポット、古代アゴラのここがすごい!(前編)

一番の見所は、ヘファイストス(テセウス)の神殿

この古代アゴラ遺跡にある、ヘファイストス神殿がとにかくすごいんです。遺跡の西、斜面を登っていった先の小高い丘の上にありました。ヘファイストスとは、ギリシャ神話ではゼウスと正妻ヘラとの間の息子で、火にまつわる鍛治の神。「パンドラの箱」で知られる、最初の人間パンドラを作った神でもあります。神殿のレリーフにアテネ王テセウスのものが多いため、以前はテセウス神殿だと思われていました。ところが後の発掘調査により、ヘファイストスにまつわるものが多く発見されたことで、現在はヘファイストスの神殿だったというのが有力です。

どうして、ここだけ保存状態がいいのでしょう?

このヘファイストス神殿が建てられたのは、紀元前5世紀。今からおよそ2500年以上前のものなのに、未だに当時の原形をとどめており、ギリシャ国内の中では、最も良い状態で残されていると言われているほどです。どうしてこの神殿だけ保存状態がいいのでしょうか。それは、7世紀から19世紀まで建物がギリシャ正教会として使われていたからです。屋根やレリーフの装飾などは、パルテノン神殿よりも見ごたえがありました。観光客も少なく、ゆっくり見学できるので、おすすめです。

当時の雰囲気が想像できる場所

アゴラと名前が付いているように、この大きな敷地内に市場もありました。現在その場所は屋根や柱もなくなってしまい、残されているのは礎石が並んでいる程度。その横には1000人を収容できたといわれるアグリッパ音楽堂跡がありますが、こちらも残念ながら、わずかな礎石しか残っていません。これらから当時のにぎわっていた様子を想像するのは、少し難しいかもしれません。そんなときは古代アゴラ博物館へ行きましょう。多くの発掘品は博物館に移動され、展示されているからです。(後編につづく)