クレタ島にあるラビリンス(迷宮)の語源となった場所

英語の「ラビリンス」の語源となった場所がギリシャのクレタ島にあることをご存知ですか。辞書でLabyrinth(ラビリンス)と引くと、一般的な「迷宮」という意味とは別に「ギリシャ神話のクレタ島のミノス王が怪物ミノタウロスを閉じこめた迷宮のこと」と出てきます。それは、語源となった具体的な場所を示してもいるのです。それなら実際に見てみたい、と思いクレタ島を訪れたのでした。

怪物は閉じ込められた宮殿とは?

神話に書かれていたのは、こんなお話。ミノア文明時代のミノス王は、贈られた牡牛を殺して捧げるというポセイドンとの約束を破ったため、彼の怒りをかってしまいます。ポセイドンはミノス王の妃に牡牛を好きになってしまう呪いをかけ、妃は牡牛と関係をもってしまいます。そして、生まれたのが牛頭人身の怪物ミノタウロス。怪物は成長するともに凶暴化し、対応にこまったミノス王は彼を閉じ込めるため、ダイダロスに迷宮を作らせるのでした。部屋の数は1200室を超え、その迷宮へ入ったミノタウロスは出られなくなったのです。

ギリシャ神話はノン・フィクションではないかも

2000年以上もの間、誰もがこのギリシャ神話のエピソードは作り話だと思っていました。ところが20世紀前半に、イギリス人のアーサー・エバンズによってクノッソス遺跡が発掘されたとき、このエピソードは本当だったのではないか?と提唱し始めたのです。なぜなら、発掘されたクノッソス宮殿があまりにも広大で、膨大の数の部屋を持ち、そして部屋を繋ぐ細い回廊、といった具合に、まさに神話に描かれた通りだったからです。ノン・フィクションでないにしても、この宮殿がモデルになったに間違いないと、訪れた私も思いました。

すでに豪華な宮殿は消えてしまった

実際にクノッソス遺跡を訪れてみると、豪華だったであろう王の屋敷は廃墟のようになっていました。建物とはいえる状態ではなく、柱や壁が一部残っているだけで、とても残念。それでも、神話を信じたくなるような、要素はたっぷり鑑賞できます。例えば、一番高い所で4階建てだった立派な構造や、中庭を囲んでいた建物を支えていた膨大な数の柱、狭い通路を通して複雑に小さな部屋が並んでいた様子など。所々に描かれた壁の壁画も、当時の様子をイメージするのを手伝ってくれます。(その2へ続く)