本物は博物館で、雰囲気は現地で

「ヨーロッパ最古の文明? 地中海に栄えたミノア文明とは?」その3からの続きです。遺跡で見られるフレスコ画や出土品はほとんどがレプリカなので、行く前か見終わった後でも、イラクリオンにある考古学博物館に寄ってみて、“本物”を見てみる事をお勧めします。それでも周囲の環境も含めて、実際にクノッソス遺跡に足を運んでみると、感慨深いものがあるでしょう。ここに本当にギリシャ神話のようなラビリンス(迷宮)があったか、現地に立って想像してみるといいですね。とにかく多くの部屋があった事は確かです。遺跡は日陰が少ないので、真夏に訪れる時は帽子やサングラスが必携でしょう。

本物は博物館で、雰囲気は現地で 本物は博物館で、雰囲気は現地で

マリア遺跡とフェストス遺跡

ここでクレタ島にある他のミノア文明の遺跡を簡単に紹介しましょう。マリアはイラクリオンから東へ約37km(バスで約1時間)にあるビーチ沿いの町ですが、そこからさらに東へ3kmにクノッソス宮殿と同時代のマリア宮殿跡があります。中庭を囲んで多くの部屋があるという共通した造りです。もうひとつのフェストス(ファイストス)宮殿跡は、イラクリオンから南へ63km(バスで所要1時間30分)の場所にあります。これもクノッソス宮殿と同時代のものなので、遺跡の感じはよく似ています。この遺跡が有名なのは、ここから出土した「ファイストスの円盤」と呼ばれる粘土の円盤でしょう。円盤に刻まれた何種類かの文字は、今も解読されていません。

サントリーニ島にあるミノア文明の遺跡

ミノア文明の遺跡はクレタ島以外にもあります。有名なものには、エーゲ海のサントリーニ島にあるアクロティリ遺跡があります。紀元前1610年ごろ、サントリーニ島では島の中央部分が沈んでカルデラができるほどの大噴火が起きました。これは1000年に一度という規模の記録的な大噴火で、その時に降り積もった火山灰が島にあった町をすっぽりと覆いました。そのため遺跡から状態のいい多くのフレスコ画が発見されたのです。絵のテーマは動物や女性など、ミノア文明らしい優雅なものが多い事が特徴です。

島の中央部が沈み、大きなカルデラ湾ができたサントリーニ島 島の中央部が沈み、大きなカルデラ湾ができたサントリーニ島

見た目は地味だが、歴史上は重要

いかがでしたか? 今回はクレタ島のクノッソスを中心に栄えたミノア文明を紹介しました。ミノア文明崩壊後、ギリシャ本土ではミケーネを中心としたミケーネ文明が栄え、クレタ島もその支配下に置かれます。「ヨーロッパ最古の文明」とも呼ばれるミノア文明の遺跡ですが、派手なギリシャ彫刻や神殿がないので観光的にはいささか地味です。しかし世界史上はずせない重要な文明なので、ギリシャを訪れる機会があったら足を延ばしてみてくださいね。