- アリサンドラトゥー芳香
- イタリアのトスカーナに4年、そしてギリシャ、ペロポネソス半島北部の港町パトラ在住13年。ギリシャの大学生に日本語を教えながら、翻訳などもしています。小学生の子供が二人いるので、子連れの旅行についての情報や、もともと好きな遺跡等に関する情報、地中海料理などについて発信中!また、ブログ「地中海とカフェDiary」ではギリシャ生活について綴っています。
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ギリシャのワイナリー、アハイア・クラウスの城壁内。石造りの建物とよく手入れされた緑や花が素敵です
マヴロダフニ(黒いダフニ)という名のつけられた、赤ワインで有名なのが、このワイナリー「アハイア・クラウス」です。緑で囲まれた坂道をのぼっていくと、石で築かれた中世の城壁のような建物にたどり着きます。門をくぐると途端に静けさに身を包まれ、ちょっとタイムスリップしたような気分で、散歩するだけでも楽しいので私のお気に入りの場所。中では、ワイン樽の貯蔵庫などになっている石造りの建物などが並び、一番奥の建物が自由に入れるように開放されていて、マヴロダフニが無料で味わえるようになっています。また奥から外をのぞくと、高台にあるのでパトラスを海まで見下ろす素晴らしい景色が望めます。バーカウンターのような売店では、赤、ロゼ、白ワイン、それも特に数の限られた長年熟成したワインまでいろいろあるので、リクエストして出してもらいましょう。買うのに迷ってしまうようなら味見させてもらってください。もちろんマヴロダフニは外せませんが、とても甘くて透き通るような味わいの白ワイン、マスカットもお薦めです。
ここで赤ワイン、マヴロダフニを無料で味見できます。美味しいので飲みすぎに注意
このアハイア・クラウスですが、ギリシャでも有数の大きなワイナリーで、名前の通り、築いたのはドイツ人のグスタフ・クラウス氏。ギリシャに憧れていた彼が初めてギリシャを訪れたのは、1854年。ギリシャ中を旅行した後、パトラスがブドウ畑に最高の土地であることを見出して、あっさりとパトラスに身をうずめることを決意します。そして丘の上にお城を建て、城壁内にワイン工場を築いたのが始まりです。
最初に作られたのが、赤ワインのマヴロダフニと白ワインのマスカット・オブ・パトラスです。正式にワイナリーとしてスタートしたのは、1861年。既に1860年代からヨーロッパでも評判がよく、1869年にはドイツへの輸出も始まります。
成功の鍵は、なんといっても有名なマヴロダフニです。これはパトラス近海のイオニア諸島で育てられていた黒いぶどうのマブロダフニを利用して、クラウス氏オリジナルのレシピで、濃い色合いのとっても甘い赤ワインをつくりあげたもの。今では世界40カ国以上に輸出されています。このワイナリーのゲストブックには1885年に訪れたオーストリアの女帝エリザベスを始め、ギリシャや外国の政治家、王室の名が並びます。
マヴロダフニは、お酒が苦手な人でも飲めてしまいそうな、甘〜い赤ワインで、独特の風味が魅力的です。パトラスで行われるギリシャ最大のカーニバルでは、どこでも店頭に並び、ボトルごと買って飲まれていたものですが、この数年は酔っ払って危ないということでカーニバル中は禁止されているほど。美味しくて、ついクイッと飲んでしまいますが、酔いがすぐ回るので観光中の味見はほどほどに!
このアハイア・クラウスはパトラスの郊外。バスは本数がとても少ないので、タクシーが便利です。もしワイナリーへ行く時間がない場合は、スタンダードなマブロダフニなら、ギリシャ国内の酒屋さんや大手スーパーでも手にはいるので、とりあえず買って帰ることもできますよ。
■アハイア・クラウス
パトラス中心から約8キロほどの距離。
毎日9時から夕方17時まで訪問できます。
住所:パトロン・クラウス通り(番地はありません。タクシーの運転手さんにアハイア・クラウスと言うだけで通じます)
電話番号:ギリシャ国内より2610-325051
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/08/31)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
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