ギリシャ伝統の影絵人形劇「カラギョージス」を楽しもう

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ギリシャ伝統の影絵人形劇「カラギョージス」を楽しもう

掲載日:2009/03/17 テーマ:観光地・名所 行き先: ギリシア / パトラ ライター:アリサンドラトゥー芳香

タグ: おもしろい



ABガイド:アリサンドラトゥー芳香

【ギリシアのABガイド】 アリサンドラトゥー芳香
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イタリアのトスカーナに4年、そしてギリシャ、ペロポネソス半島北部の港町パトラ在住13年。ギリシャの大学生に日本語を教えながら、翻訳などもしています。小学生の子供が二人いるので、子連れの旅行についての情報や、もともと好きな遺跡等に関する情報、地中海料理などについて発信中!また、ブログ「地中海とカフェDiary」ではギリシャ生活について綴っています。

パトラに近年オープンした「カラギョージス」影絵劇をワインやおつまみを片手に見ることができる店。普通はその時々で地方などを巡る影絵劇を一時的に借りている会場に見に行くものなのでこれは珍しいお店です パトラに近年オープンした「カラギョージス」影絵劇をワインやおつまみを片手に見ることができる店。普通はその時々で地方などを巡る影絵劇を一時的に借りている会場に見に行くものなのでこれは珍しいお店です

笑いを誘う、皮肉たっぷりで楽しい影絵劇

ギリシャの影絵劇「カラギョージス」の主人公カラギョージスは、ねこ背で裸足。もう貧しすぎて身なりなんて構っていられない、という人物です。冗談は時折きついのですが、本当のところ心は優しく、楽観的で怠け者ながら、なんにでも興味津々で鼻を突っ込んでいって、自分や周囲の人をからかったり皮肉ったりします。ギリシャでは、「カラギョージス」とは単に劇の人物というだけでなく、日常的に、比喩で見た目や行動が笑いを誘う人などを表現する言葉にもなっています。この「カラギョージス」、実際の影絵劇は随時ギリシャ全土を回っている操り師たちのスケジュール次第で、運が良ければ直接見に行くことができます。人形たちの独特の姿かたちや音楽に雰囲気があって、言葉がわからなくても楽しめると思うので、見る機会があれば逃さないように!

 

パトラのカラギョージス影絵劇のお店では、カラギョージスの操り方などを子供に教える教室も開かれているそうです パトラのカラギョージス影絵劇のお店では、カラギョージスの操り方などを子供に教える教室も開かれているそうです

庶民のヒーロー「カラギョージス」

「カラギョージス」とは、トルコ支配下のギリシャで、トルコ・ギリシャ両国で伝え継がれた影絵人形劇、そしてその劇の主人公自身のことです。ギリシャにおいて「カラギョージス」とは庶民のヒーローであり、トルコ支配下のギリシャで、貧しく苦しい生活の中、ずる賢く生き抜くギリシャ人を象徴する存在でした。19世紀末には、「ミマロス」というあだ名で知られる、パトラのディミトリス・サルドゥーニというカラギョージス操り師によって、「カラギョージス」がギリシャ独特のものとして生まれ変わります。ここで初めて、ねこ背の男で、腕はやけに長く、いつも裸足にぼろぼろの服を着ている、という今のカラギョージスの典型的な姿が生まれたのです。貧しいので住む家はバラック小屋。劇に登場するのは、主人公の彼と、その家族、ヨルゴス叔父さん、友人など決まった顔ぶれです。テーマは風刺などで観客を笑わせるのですが、その内容は時代に合わせて、実際に問題となっている出来事などが取り扱われます。

 

ギリシャとトルコの間で「カラギョージス」の由来に論争

つい最近のギリシャの新聞によると、トルコのある新聞で「ギリシャ人がカラギョージスをギリシャのものとしようとしている」と非難した記事があったそうです。ギリシャとトルコの関係はキプロス紛争を代表として、なかなか改善されません。文化面でも、トルコによるギリシャ支配があまりにも長かったため、由来がどちらかわからないほど、ギリシャ、トルコに共通して伝えられるものが存在します。「カラギョージス」に関しては、トルコからギリシャに伝わったのは確かですが、さらに遡ると東南アジアやインドの影絵劇が起源とも言われます。また、本来トルコで伝わっていたものと、子供から大人まで楽しめるギリシャ独特の「カラギョージス」には大きな違いがあります。ギリシャには現在400人ものカラギョージス操り師がいるのに対し、トルコにはもうほとんど残っていないそうです。アテネ郊外にはカラギョージス・ミュージアムもあって歴史や影絵劇について知ることもできるので、是非訪れてみてくださいね。

 

【関連情報】

ギリシャらしい「カラギョージス」の生まれたパトラには、この数年新しいお店が誕生しています。コスタス・マクリスというカラギョージス操り師が開いた「ヴィルソデプシオ」で、ここではただ影絵を見るだけでなく、ワインにおつまみなどを楽しみながら観劇できる、という大人が喜ぶ新しい試みのお店です。場所はヴェソ・マ−レと呼ばれる映画館カフェなどの複合施設の裏。石造りの壁の雰囲気のある建物です。カラギョージス操り師は他の地域を回ったりするので、プログラムは随時確認のこと。アテネの郊外マルーシにあるカラギョージス・ミュージアムのホームページは、http://www.karagiozismuseum.gr/en/index.htm (英語)です。住所や開館時間はそちらでご確認ください。

 
 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2009/03/17)
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※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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