ジョルナイを生み出した工場が新たに芸術の発信地へ 欧州文化首都ペーチ最大再開発事業

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ジョルナイを生み出した工場が新たに芸術の発信地へ 欧州文化首都ペーチ最大再開発事業

掲載日:2010/07/16 テーマ:観光地・名所 行き先: ハンガリー / ペーチ ライター:ケイ

タグ: すごい! キレイ 街歩き 建築 素晴らしい



ABガイド:ケイ

【ハンガリーのABガイド】 ケイ
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ライター&イラストレーター。ヨーロッパを中心に執筆活動中。アニメーション、本の装丁、雑誌の挿絵など絵を描く仕事も行う。はじめは西欧の取材が主であったが、ハンガリー留学生のホストファミリーになるなど、東欧人との関わりが深くなるにつれて東欧に関心を抱く。次第にその文化に魅せられて取材を開始する。

おとぎの世界に迷い込んだかのような旧ジョルナイ工場 おとぎの世界に迷い込んだかのような旧ジョルナイ工場

豪華な別荘?いいえ、工場です!

こんな工場があるだろうか。鮮やかな色の外壁、窓枠の可愛らしい装飾。庭に置かれた数々のモニュメント。入り口に飾られた彫像はギリシャ神話の中にでも出てくるような動物の形をしている。工場と聞けば画一的で殺風景な建物しか思い浮かばない。ところがここは南国にある豪華な別荘のよう。こんな工場で働けるなら、通ってくるのが楽しくて仕方ない。このカラフルで特異な装飾タイル、ハンガリーを知るものならひと目で判るであろう。そう、ヘレンドと並ぶハンガリーの名窯ジョルナイである。南ハンガリーのペーチにある工場では、殺風景な土色の塀で囲まれた敷地の中に驚くような世界が広がっていた。

 

入口からカラフルで楽しそうな予感がする 入口からカラフルで楽しそうな予感がする

作品が点在する美しすぎる工場

工場敷地の中にはもう一つ壁があり、そこからがジョルナイ工場だ。入口から明るい色彩が使われている。そして一歩中に入ると、「これが工場?!」と衝撃を受ける。庭には陶器で造られた美しい泉や置物がたくさんある。不思議な形をした壺(複製)は1914年に創設者ジョルナイ・ヴィラモシュの孫ミクローシュがハーグの平和ホールのためにデザインした。敷地内では陶磁器を作る工房と屋根瓦・外壁用タイル生産の工場に分かれているが、どちらの建物も装飾的で普通の邸宅のようだ。以前はジョルナイの創業者も工場の敷地内に住んでいた。まさに生産現場と一体になって“ものづくり”に情熱を注いだジョルナイ一家であった。

 

オランダから依頼されたハーグの平和ホールのモニュメント オランダから依頼されたハーグの平和ホールのモニュメント

こんな芸術こそ共有したい

この空間は、しかしながら工場であるがゆえに関係者以外の立ち入りが禁止されていた。こんな素晴らしい文化財を一般の人々が鑑賞できないのは損失である、とペーチ市がジョルナイ社と話し合った。その結果、工場は移転して跡地が一般開放されることになった。折しも2010年はペーチが欧州文化首都に選ばれている。町では年明けから様々な文化行事が盛んだ。ジョルナイ工場跡地はジョルナイ・カルチャー区画と命名され、文化発信の街角として再開発されている。ジョルナイ工場の庭は芸術公園に、磁器工房の建物はコミュニティースペースとしてビジターセンターやアールヌーヴォー様式のカフェに生まれ変わる。

 

入口から中に入るとすぐこのような建物がある 入口から中に入るとすぐこのような建物がある

培われた芸術の地に、新しい芸術の芽がでる

引き続きピログラニットの工場はクリエイティヴ区画として若者向けのイベント会場へ、さらに近代芸術展示場や創作作業所へと生まれ変わる予定である。温室だった建物も親子で楽しめる人形劇場や遊び場、野外劇場となる。道を挟んだ工場の南側は大学区画となって音楽と美術の学科が創設される。旧ジョルナイ工場跡地は欧州文化首都ペーチ最大の再開発事業となり、今後も受け継がれていく。カラフルな建物、館に取り付けられた装飾的な壺や彫像、庭に置かれた不思議なモニュメント。それら全てがユニークで芸術的。ハンガリーへの旅は今年、ペーチ無しには語れない。

 

■欧州文化首都ペーチ
http://en.pecs2010.hu/(英語)
■ペーチへのアクセス
ブタペスト東駅よりペーチ行きIC電車で2時間50分。
■Zsolnay cultural quarter ジョルナイ・カルチャー区画
住所:Pecs Zsolnay Vilmos utca 37 H-7630 Pecs
http://en.pecs2010.hu/p/key_projects/zsolnay_cultural_quarter

 
 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2010/07/16)
※渡航前に必ず現地の安全情報をご確認下さい。http://www.anzen.mofa.go.jp/
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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