大都市ブダペストを見下ろすゲッレールト山

ヨーロッパで二番目の長さを誇る川である、巨大なドナウ川を中心に市街地が構成されているハンガリーの首都ブダペスト。ドナウ川の西側は宮殿など歴史的建造物が集まるブダ地区、東側は地下鉄や路面電車などがあちこちに走りお店なども多いにぎやかなペスト地区となっています。町歩きをしていると、ブダ地区の南側、ドナウ川のすぐ横に大きな丘があることに気がつかれると思います。この丘はゲッレールト山(正式名称はケレン岳)と言って、頂上からはブダ地区もペスト地区も一望でき、ドナウ川も遠くまで見渡すことができるため、定番の観光スポットのひとつになっています。頂上までの道のりは完全に舗装されていて歩きやすいので、ぜひ気軽に訪れてみてください。そしてこの丘は、単に展望台という役割だけでなく、歴史的に重要なエピソードも持っています。

ゲッレールト山の頂上から見るドナウ川とブダペスト市街地 ゲッレールト山の頂上から見るドナウ川とブダペスト市街地

頂上にあるツィタデッラと女神像

ゲッレールト山の頂上には、「ツィタデッラ」という要塞のような構造物と、地上からでもわかるほど巨大な女神像が立っています。ツィタデッラはもともと、19世紀当時この地を占領していたオーストリア帝国により反乱に対する監視のために作られたもので、20世紀初頭にはブダペスト市の管轄となりますが、その後1956年にソビエト連邦軍にまたも反乱監視のために占領されてしまいます。山頂にある女神像はその少し前、ソビエトによるハンガリーの「解放」を記念して1947年に作られたものです。ソ連崩壊後の現在では像に刻まれた碑文も改められ、ハンガリー独立のために運動した者たちへの記念碑へと変わりました。このゲッレールト山は、いわばハンガリー動乱の歴史を象徴する山でもあるのです。

北にはブダ王宮、南にはゲッレールト温泉

そんなゲッレールト山と合わせて観光するのにおすすめのスポットをご紹介します。ひとつは、南側の登山口すぐのところにあるゲッレールト温泉。重厚な建物のホテルの一部として運営されているこの温泉は、まるで宮殿の中で入浴しているかのように思わせくれるほど豪華な作りで、ブダペストではセーチェニ温泉と並んで人気の入浴施設となっています。もうひとつのおすすめは、登山口の北側から少し歩いたところにあるブダ王宮。宮殿の集まるこの地区には国立美術館や博物館、マーチャーシュ教会や漁夫の砦と言った観光スポットが集中しており、ブダペスト観光には必須です。王宮側を観光した後にゲッレースト山に登り、最後に温泉に入ってさっぱりする、なんてコースもいいかもしれませんね。ゲッレールト温泉は20時まで営業しているので、一日たっぷり使ってぜひブダ地区を満喫しましょう!