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海外現地発ガイド通信

世界遺産、トカイワインの故郷を訪ねて


掲載日:2020/10/18 テーマ:世界遺産 行き先: ハンガリー / トカイ

タグ: おいしい ワイン 地酒


元祖「ワインの王さま」、トカイワイン

トカイの大きな醸造所にはワインを販売するショップがあり、あらゆるカテゴリーのワインを揃えている トカイの大きな醸造所にはワインを販売するショップがあり、あらゆるカテゴリーのワインを揃えている

“ワインの王”、と呼ばれる名ワインは今日、世界に色々あるが、最初にこの言葉を発したのはフランスのルイ14世である。それはハンガリーのトカイワインに対しての誉め言葉だった。18世紀初頭、トカイ地方を治めていたハンガリーの貴族ラーコーツィ・フェレンツ2世は、自分の領地で作られた素晴らしいワインをルイ14世に寄贈した。その琥珀色のワインを口にしたルイ14世は驚き、「これは王のワインであり、ワインの王である!」と絶賛する。以来、フランスの宮廷ではトカイワインが出され、世界に広まっていった。今日、トカイワインはハンガリーの東北、もう少し北へ行けばスロバキアとの国境にたどり着く小さな町トカイで栽培され、醸造されている。トカイワインは糖度の高い貴腐ワインで、日本ではデザートワインとして親しまれている。

大きな醸造所から家族で営む小さな醸造所まで

メインストリートのラーコーツィ通りも、平日は観光客の姿がなく閑散としている メインストリートのラーコーツィ通りも、平日は観光客の姿がなく閑散としている

おいしいトカイワインに出会うため、トカイにやってきた。鉄道駅からティサ川のある右の方へ、左手にブドウ畑を眺めながら10分ほど歩いていると、やっと町らしくなってきた。小さな町なので、メインとなるラーコーツィ通りの両側にホテルやレストラン、ショップがまばらに並んでいるが、どこもこぢんまりとしている。道は途中からベトレン・ガーボル通り、と名を変え、更に進むと右手にボドログ川が現れる。ここまでくる間にも、そしてこの先にも小さなワイナリーが幾つかあり、いずれもボドログ川と反対の丘の方に集中している。トカイ地方には現在、大小合わせて600近い醸造所があるそうだ。道から逸れてブドウ畑の麓を散策していると、「トカイワイン小売りします」という手書きの看板を見つけた。一見、普通の民家でショップという雰囲気ではない。庭の方に回っていくと婦人が一人、作業をしていた。家族経営の小さな醸造所らしい。こんな所もあるんだな、と 庶民的雰囲気が気に入る。

ブドウの背負い籠が貴腐ワインの基準に使われた

飾り気のないブドウ農家の婦人が気さくにトカイワインの説明をしてくれた 飾り気のないブドウ農家の婦人が気さくにトカイワインの説明をしてくれた

トカイワインを飲んでみたい、と言うと「5プットニョシュ?」と聞かれる。貴腐ワインを現すアスーaszuは判るけど、このputtonyos という聞きなれない発音しにくい言葉に戸惑っていると、あらこの人、何も知らないのね、という風に肩を落とし、話し始めた。プットニputtonyとは古くからトカイ地方で用いられていたブドウを収穫するときの背負い籠で、大きさは多少異なるものの大体1籠には21〜27kgの貴腐ブドウが入る。136リットルの大樽の中に何籠分の貴腐ブドウが含まれているかによって糖度が変わり、3から6のプットニョシュが決まる。現在は背負い籠の数ではなく、出来上がったワインの糖分含有量を測定してランク分けする。2013年以降は3と4のランクが廃止され、5以上の糖分の高い最高級のトカイ貴腐ワインが生産されているそうだ。勿論プットニョシュの数字が無いトカイワインも多く 造られ、高品質で美味しく、値も張る。

有名な「豚の石」も見学する

確かに動かそうとしても絶対に動かないであろう大きな「豚の石」。畑の名前とワイナリーの名前になっている 確かに動かそうとしても絶対に動かないであろう大きな「豚の石」。畑の名前とワイナリーの名前になっている

ワインを買おうとすると「瓶は?」と聞く。旅行者だから持ってない、と答えると奥からコーラの空ボトルを持ってきて樽から入れてくれた。「道中に飲むなら瓶よりこの方が良いわよね!」と。お邪魔した礼を述べて外に出る。折角ここまで来たのだから、と「豚の石Disnoko」の畑へ行くことにした。鉄道のトカイ駅からは町と反対左方向へ進んだ所にあり、タクシーで10分ほどかかる。「豚の石」とはその昔、農夫がブドウ畑を作ろうと耕していると大きな石が邪魔になった。彼は「この豚めー!」と悪態つきながら石を残して畑にしたという。伝説的なこの石は、今もその場所に。立派なワイナリーも出来て車で来る人々で賑わっていた。ところであの小さな醸造所で分けてもらったトカイワイン、コーラのペットボトルで600円程度、5プットニョシュだったと思う。一口飲んで、その美味しさに驚く。3日間ほど楽しませてもらったが、トカイの素晴らしい思い出となった。

データ

南斜面に向いて広がるトカイワインのブドウ畑 南斜面に向いて広がるトカイワインのブドウ畑

トカイへのアクセス:
ブダペストから電車でトカイへ行くには、西駅か東駅から。
西駅からは普通電車で3時間少々、東駅からはIC特急で約2時間半。
乗車券以外に座席の予約が必要なので、必ず事前に座席予約をすること。


トカイ・ディスノーケー・ヴィンヤード&ワイナリー
Tokaj Disznoko Vineyards and Winery Plc.
( トカイ・豚の石・ブドウ畑とワイナリー )
住所:Mezo zombor, Disznoko dulo, 3931
営業時間:毎日10:00~19:00
電話:+3647569410
http://disznoko.hu/

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2020/10/18)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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