中世の雰囲気を色濃く残すドリムナ城

ダブリンの中心地から南西に約5km、アイルランドで唯一の塹壕(お堀)が残っている城塞、ドリムナ城があります。アイルランドで見られる城のほとんどは、貴族など領主の居住地としての性格が強いものが多く、長い歴史の中で改築が繰り返されて築城当時の雰囲気が残っていないことがほとんど。一方このドリムナ城は、中世の城塞としての機能が今も残されており、本格的な歴史的建造物を堪能したい方におすすめの穴場的なスポットとなっています。観光名所として人気のダブリン城で物足りない方は、ぜひドリムナ城にも足をのばしてみることをおすすめします。

庭園側から見たドリムナ城 庭園側から見たドリムナ城

見学はガイドによるツアー形式

ドリムナ城へは、市街地から56a番または151番のバスに乗って約30分、すぐ目の前にあるバス停「ドリムナ城」で降車します。小学校の敷地に隣接し、やや奥まったところにあるため一瞬戸惑うかもしれませんが、ゲートにはしっかり「Drimnagh Castle」と矢印付きで書かれた茶色い看板が出ているので迷わず進みましょう。城門をくぐると右手側に城とは別に建物があり、その1階部分が受付となっています。庭園など城内の屋外部分の見学は無料。内部を見学するには4.5ユーロ支払い、英語によるガイドに従って回ることになります。多少英語力が必要になりますが、とても親切なガイドにほぼ専属のような形で案内してもらえ、詳細な解説を聴くことができます。

13世紀はじめにノルマン人騎士のために作られた城塞

1215年、ちょうどアイルランドがアングロ-ノルマン人の侵攻を受けていた時代に、ノルマン人騎士のユーゴ・ド・ベルニヴァレがジョン王からこの地を与えられ、ドリムナ城を築きました。現在は失われてしまったものの、城門前の塹壕の上にはかつて可動式の橋が架かっていて、敵の侵入を防いでいたそうです(ちなみに、塹壕は今でも川から流れてきている水で満たされています)。また、城門や建物の入り口は局所的に天井が高く、敵が侵入した際に上から攻撃できるスペースが確保されています。その他にも建物内の階段や窓などにも要塞としての機能が隠されていて、その1つ1つを細かく解説してもらうことができます。後編へ続きます。