蔵書だけでなく建物もすごいアイルランド国立図書館

1877年に設立されたアイルランド国立図書館は、日本の国立国会図書館と同じように法定納本を受ける図書館であり、国内で公式に出版されたすべての本を保管しています。本格的に使用するには多少の手続きが必要になる施設ですが、ビクトリア朝様式の立派な建物は入ってみるだけでも面白く、観光目的で入館する人も少なくありません。今回は、ふらっと立ち寄って楽しめる部分だけをピックアップしてご紹介します。

充実度抜群のイエーツの展示コーナー 充実度抜群のイエーツの展示コーナー

アイルランドの誇る詩人ウィリアム・バトラー・イエーツ

館内に入ってすぐの玄関ホールを正面に進まず、右手に進んで簡素な展示室を抜け、階段を下って地下へ行くと、アイルランドで初めてノーベル賞を受賞した詩人のウィリアム・バトラー・イエーツ(1865-1939)の展示コーナーがあります。イエーツはアイルランドの文芸復興を担ったとされる国内随一の詩人および劇作家で、代表作としては『塔』や『螺旋階段』などがあります。人気のアイルランド民謡「ダウン・バイ・ザ・サリー・ガーデン」の歌詞もイエーツによるものです。

充実したイエーツの展示コーナー

この展示コーナーには、イエーツ直筆の作品や愛蔵品の数々(日本刀もあります)、彼の生涯を解説する3つのドキュメンタリー映像、詩の朗読音声などがあり、あらゆる側面からイエーツを知ることができます。なんとこの展示は、オンライン上(http://www.nli.ie/yeats/)でも見ることができるので、それを見て興味が引かれたら、訪れてみるといいでしょう。この展示だけでも国立図書館に来る価値は十分にあります。

イエーツやジョイスも通ったリーディング・ルーム

もう1つの目玉は、玄関ホールを正面に進み、階段を上がったところにあるリーディング・ルームです。ここは古くからの雰囲気が残されていて、高いドーム型の天井の下に古い木製の机がびっしり並んでいる景観には目を瞠ります。ここにはイエーツやジョイスをはじめ、アイルランドの名だたる文豪たちも通っていたそうで、実際にジョイスの代表作『ユリシーズ』にも登場します。ここで本を借りて読むためには、玄関ホール左手の受付でリーダーズ・チケットを作成する必要がありますが、パスポート等の身分証があれば即日発行してもらえ、思いのほか難しくありません。この雰囲気の中で読書を楽しみたい人は作ってみるのもいいと思います。