海岸線が美しい

(その2から続く)翌日は、キラーニーから西に走り、Killorglinからは「ケリーの周遊路」に入ります。断崖が続く荒々しい海岸線がダイナミックです。つい立ち止まってしまうたくなる絶景ポイントがいくつもあります。ドライブ旅行のいい所は、自分が止りたいところで車を停められることですね。この周遊路には展望台も多くありますので、駐車に不便なことはありません。そして半島をぐるりと回って、N71をキラーニー方面に10キロほど入った、キラーニー国立公園内にあるのが「Ladies View」です。複雑な形の湖と山々の調和が美しく、19世紀にイギリスのビクトリア女王が来られた際に、馬車を止められ、その景観に魅入られれたそうです。そこから「レディース・ビュー」となったのですね。その後は、N71の海岸線を東に向かって走ります。コールの町まで行って泊まるのもいいですが、小さな港町Kinsaleに泊まってもいいかもしれません。海の幸がうまいです。

アイルランドは廃墟の古城や修道院もいい

翌日はコールの東に位置するBlarneyを目指します。ここにあるのがブラーニー城です。緑の中に、廃墟と化した城が佇んでいます。円筒形の建物の中に急な階段があり、そこを上っていくと屋上に出られます。すると、屋上で建物にキスをしている人がいるではないですか。これが有名な「ブラーニー・ストーン」。中世の頃、この城の城主マッカーシーが、銅板を設置したと言われる場所です。マッカーシーはイギリスのエリザベス女王が忠誠を誓うように約束させたにもかかわらず、巧みな弁舌でイギリスの支配を逃げ延びたのです。そこからエリザベス女王が、お世辞を言うことや口がうまいことを「ブラーニー」と言うようになり、今では辞書にさえ、掲載されるようになったのです。18世紀の後半にはすでにここでキスをする観光客がいたそうで、そんな習慣が今でも連綿と続いているのです。不潔だとも言われていますが、これも旅の楽しみですね。

小泉八雲が少年時代を過ごした町へ

コークからN8を北上し、100キロほど先にあるのが、Cashelで、この町にあるのが「Rock of Cashel」。12、3世紀の教会の遺跡です。いまや天井もありませんが、美しい緑の田園地帯に建つ廃墟の感じが何ともいいところです。このままN8を北上すれば、首都ダブリンまで行けますが、最近日本に縁のある観光施設ができました。コークからN25を東に行ったところにあるTramore(トラモア)という小さい町にです。トラモアは、『怪談』で知られる小泉八雲こと、ラフカディオ・ハーンが少年時代のひと時を過ごした町なのです。2012年にひ孫の小泉凡氏がこの町を訪れたことで一気に機運が高まり、2015年には『ラフカディオ・ハーン庭園』が造られました。日本とアイルランドの意外な結びつきがこんなところにあったのですね。日本人にとって、新しい観光名所になりつつあります。
●ラフカディオ・ハーン庭園:http://lafcadiohearngardens.com