世界の低地と塩湖

世界には、陸上であるにもかかわらずマイナスの海抜の場所が存在します。国土の4分の一が海面より低く、風車で水をくみ上げているオランダや、最高気温49度を記録した中国のトルファン、湖を中心に低地が広がるカスピ海など。山が高くなればなるほど気温が下がるのと逆に、土地が低くなるほど気温は高くなり、熱で水分が蒸発しやすくなります。その結果、低地には塩分濃度の高い塩湖がよく見られます。トルファンのアイディン湖(-154m)や、ジブチのアッサル湖(-155m)などがその例。そして地表で最も低い土地、-418m地点にあるのが死海です。

世界一低い場所には何がある? 体がぷかぷか浮かぶ塩の湖「死海」 世界一低い場所には何がある? 体がぷかぷか浮かぶ塩の湖「死海」

地表の最低地点は死の世界!?

ヨルダンとイスラエルにはさまれたこの湖一帯は、7月の平均最高気温が39度で、冬でも平均最低気温が10度を下回ることはありません。乾燥した気候も手伝って、塩分を含む水がどんどん濃縮された結果、海水の10倍もの30%という塩分濃度をもつにいたりました。普通、水のある場所には生き物が集まるものですが、ここは名前が示すとおり、一部を除いて魚などが住めない死の世界。しかしこの塩分濃度だからこそ、ほかではなかなかできない体験ができるのです。

死海に入って浮いてみる

死海には、ヨルダン側とイスラエル側のどちらからも行くことができます。水に入ると、首と肩以外を沈めたあたりで体が浮きます。最初はバランスを取るのが難しく感じられますが、広々した湖と対岸の隣国を眺めつつ漂う気分は最高です。ただし、死海の水は塩やミネラルが溶けすぎて油のようにべとべとし、陸に上がっても全然乾きません。湖水浴を楽しむなら、湖畔の一部が区切られ、シャワー施設のある有料ビーチがおすすめです。ほか、ヨルダン側には湖畔に温泉が沸く場所があり、塩水が付いた体を洗うことができるようです。

死海で泥パックをしてみる

そして、泥パックができることも死海の楽しみのひとつです。かのクレオパトラも死海の泥を用いた美容法を取り入れていたという伝説もあるほど、その効用は古くから知られていた模様。日本でもよくスキンケア用品に使われている、ミネラルたっぷりの泥が湖底にたまっています。体中に塗ってから洗い流すと、こころもちすべすべになった気がします。日本で購入すると高価な死海の泥。それを思う存分塗ることができるのですから、ちょっと贅沢な気分になれるはず。世界一の低地・死海は、こんな憧れの美容法を体験できる、女性にははずせない場所なのです。