page top

出発エリアをに変更しました。

海外旅行の検索・比較サイト|エイビーロード
AB-ROAD
イタリア・アルベロベッロ・世界遺産の現地ガイド記事
RSS

海外現地発ガイド通信

暴政に耐えた住民の足跡〜トゥルッリ。しかし今や世界遺産指定の輝く街に!


掲載日:2010/08/30 テーマ:世界遺産 行き先: イタリア / アルベロベッロ

タグ: 街歩き 教会 建築 世界遺産 歴史


形も色彩もすべてがパティキュラー

モニュメントのようなこの円錐形の石積みが”トゥルッリ” モニュメントのようなこの円錐形の石積みが”トゥルッリ”

薄い石の積み重なるこの物体、何だかお分かりですか!? これだけじゃ分からない!? では次の写真を! 白塗りの壁に三角帽の屋根がポコンと載った住宅、そう、1996年にユネスコの世界遺産に登録された南伊のアルベロベッロです。イタリアの形をブーツに例えると、ちょうどヒールの付け根の辺り。
これが本当に家かと疑ってしまう、表現が貧困ながらもやっぱり“可愛”くて、胸が躍ってしまう街並み。イタリアで赤褐色やベージュの景色を見慣れた目には、真っ白とグレーのコントラストもとっても新鮮ですね

モルタルが使われない理由

「アイア・ピッコラ」地区には一般住居が並び、静かな佇まい 「アイア・ピッコラ」地区には一般住居が並び、静かな佇まい

一つ一つ形の異なるそれらの屋根=トゥルッリは、それぞれが整然と完璧に円錐形に整い、しかしそこにモルタルが使われていないというのですから驚かされます。そして芽生える疑問、それはなぜ?――それは壊しやすい家を建てる必要があったからです。というのは、15世紀末のこと、それまで森だったこの土地を耕作させるために、暴領主が隣村から農民を連れてきました。しかし当時新しい町を作る場合は税金が課されていたため、それを支払いたくない暴領主は、国の役人が視察に来る際にはすぐに取り壊せる家の建設を農民に命じたというわけです。そしてまた新たに建てる、なんて空しい作業・・・

計1400ものトゥルッリが現在に残る

「モンティ」地区の店舗の並ぶ通りは賑やかで、カラフルな商品がアクセントに 「モンティ」地区の店舗の並ぶ通りは賑やかで、カラフルな商品がアクセントに

トゥルッリ屋根が立ち並ぶエリアは2つに別れ、現在一般住宅地である「リオーネ・アイア・ピッコラ」と、店舗やレストラン、ホテルなどの並ぶ「リオーネ・モンティ」。ちなみにリオーネは“地区”の意。かつてアイア(麦打ち場)だったピッコラ(小さな)地区と、山(モンティ)地区。前者には約400、後者には約1000のトゥルッリがあります。そうそう、各部屋にこの屋根が載っているので軒数とは一致しません
モンティ地区の天辺にある「サン・アントニオ教会」は、これまた珍しいトゥルッリ屋根の教会。さらには、この国にはカトリック十字架式設計の教会が多い中、1927年に建てられたギリシア十字架(縦横同じ長さ)式教会【無料】です。

メインエリア外の見学地

「サン・アントニオ」教会は唯一のトゥルッリ屋根の教会 「サン・アントニオ」教会は唯一のトゥルッリ屋根の教会

上記の地区がメインながら、その周囲にもトゥルッリはあちこちに。貧しい農民の家であるはずのこの建築形態ながら、14メートルもの高さのある2階建てのお屋敷が「トゥルッロ・ソブラーノ(“最高の/至上の”の意)」【1.50ユーロ】。裕福な司祭さんのご家族のお宅だったとか・・・ふむ・・・。そして現在インフォメーション・オフィスである「カーザ・ダモーレ」は、モルタルを使って建てられた最初の建物。これはつまり、取り壊す必要がなくなったということで、1797年勇気ある7人の住民が王に直訴し、その年に建設がはじまったといういわば自由の象徴ですね。
およそ300年もの間暴政に耐えてきた住民の足跡が、世界遺産として半永久的に保存されるようになり、世界的な注目と称賛を浴びるようになった街。彼らの魂も喜んでいることを願いつつのご紹介でした。

【関連情報】

1635年建立の「サンティ・メディチ」教会。ふたつ鐘楼の鐘楼が珍しい 1635年建立の「サンティ・メディチ」教会。ふたつ鐘楼の鐘楼が珍しい

■Alberobello(アルベロベッロ)
住所:Bari(バーリ県)、Puglia(プーリア州)
月〜土曜用行き方:バーリ中央駅から私鉄「Ferrovie del Sud Est」で約1時間30分
日祝日用行き方:バーリ中央駅裏(Largo Sorrentino)から同私鉄の長距離バスで約1時間45分
*時刻表はいずれもwww.fseonline.itで確認できます

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2010/08/30)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
エイビーマガジンについて

 

キーワードで記事検索

検索