- 堂剛
- イタリア・フィレンツェ在住。2003年単独イタリア在住を決意し、中世の街オルビエートに移住。現在はフィレンツェを中心に幅広く日本とイタリアの架け橋を構築。日本人向けサイト「アーモイタリア」やイタリア人向け「ベルジャッポーネ」もその一つ。ワインと料理を愛し、イタリア全土の美味しいもの発掘がライフワーク
出発エリアをに変更しました。
1253年に完成したサン・フランチェスコ聖堂は斜面に建てられているため、上下2階に別れています。中には偉大な画家、ジョット、チマブエ、ロレンツェッティ、シモーネ・マルティーニなどの作品があり圧巻です
中部イタリアに多く見られるように、アッシジもまた小高い丘の上、オリーブ畑の斜面に沿って町が広がっています。アッシジは、イタリアの国の守護聖人であり、第2のキリストと呼ばれる清貧の聖人サンフランチェスコの街です。イタリア人だけでなく、全世界のカトリック教徒の巡礼の地となっています。そのため町はとても手入れが行き届き、街全体が大きな観光名所となっています。
ジョット作「小鳥に説教する聖フランチェスコ」1297-99
フランチェスコは、アッシジの織物商人をする裕福な家庭に生まれ、父親が仕事柄フランス語に堪能でフランスびいきだった事から、フランスを意味するフランチェスコという名前をつけられたと言われています。
放蕩生活を送っていたある日、キリストの声を聞いたことから全ての財産を投げうち、その後3つの戒律「従順・清貧・貞潔」を定め、弟子とともに各地を放浪し、説教を続けました。
アッシジのフランチェスコ聖堂と関連修道施設群はユネスコ世界遺産に登録されています。何百年も変わらないその光景は見るひとすべての心をあたたかく包み込みます
アッシジの城壁の最西端に位置する聖フランチェスコ寺院は、フランシスコ派カトリックの総本山として13世紀から14世紀にかけて絶大なる勢力を保ち、 奇跡を求めて集まった多額の寄進により作られました。その大きさは巨大な城を思わせるほど立派です。
外観同様、内部もとても広く、巨大な正面の門をくぐると目の前に大きな空間が広がります。左右の壁には「西洋絵画の父」と呼ばれているジョットが描いたフレスコ画「フランチェスコの生涯」がその逸話に沿って並んでいます。色彩豊かなその伝記は宗教的価値だけでなく、芸術作品としても優れていて、その中で最も有名な一枚が「小鳥に説教する聖フランチェスコ」。世界中の人から愛され、清貧をモットーとしたフランチェスコの人柄が優しく描かれています。
アッシジの町を歩いて感じるのが、その町並みの美しさ。白とピンクの石造りの家々は輝く太陽の光を浴びるとキラキラと輝き、町全体がまるで宝石箱のよう。小さな町に細い小道が入り組み、緩やかな階段の続く坂道が質素で謙虚なフランチェスコの故郷にぴったりの印象です。
坂道を登って行くと到着するのは、かつての要塞が残るアッシジの町の頂上。ここからは町が一望でき、日暮れ時には真っ赤に染まる美しい町が一望できます。町の背後には名産のオリーブ畑とワイン畑が広がり、美しい中部イタリアの風景を独り占めできる絶景スポットです。
ぜひ一度、教会の鐘の音に耳を傾けながら、この感動的な美しい景色に見入ってください。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/09/25)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
エイビーマガジンについて