- 木場しのぶ
- ライター、コーディネーター、フォトグラファー。専ら端午の節句生まれを誉れとし、鯉幟を吊るす竹のように生きることを目指す。趣味・興味は多方面に渡るが、特に“食べて飲んで湯に浸かる”の3拍子をこよなく愛する。イタリア語通訳案内士資格を所持し、通訳としても活動。著書『蝦(エビ)で釣られたイタリア』は涙と笑いのイタリア滞在記。
出発エリアをに変更しました。
美しく飾られた路地
日本とさほど変わらない緯度に位置するイタリア。やっと待ちに待った春の到来です! そんな季節にこそ訪ねてほしいのが、ウンブリア州のスペッロという小さな村。オリーブ畑に囲まれた、“イタリアの美しい村”にも選ばれている美しく愛くるしい村です。その城壁に囲まれた端から端まで1kmにも満たない小さな旧市街地は、勾配の急な石畳の小路が入り組み、中世の古き時代を彷彿とさせる魅力溢れる景観。でもそれだけじゃない、路地やバルコニー、窓などの至る所が色とりどりの植物で見事に飾られて、とても美しい眺めが楽しめるんですヨ。
メインストリートにアートが並ぶ
そんな村で年に一度開催されるイベントも、当然とばかりにBIGな“花の祭典”! カトリック総本家イタリアでの春のメーンイベントはイエス・キリストの復活祭=パスクワ。その約2カ月後の聖体節=コルプス・ドミーニで行われるのが、“植物で路上絵を描く”という「インフィオラータ」。植物とは、花びら、種子、茎や枝など。さすがは芸術の国!と言わんばかりにデザイン性に富み色彩豊かな草花の巨大な絨毯が、路上狭しと並ぶ様は圧巻! ところで、聖体節とは13世紀半ばに制定されたカトリックの祭り。ボルセーナという町の教会で聖体拝領の儀式〜最後の晩餐でパン(キリストの聖体)とワイン(その血)をキリストが授けた〜を執り行っていた際にパンから血が滴り、それを知った当時の法王が定めたのだと言われています。
カーペットの正体は花びらがメインの植物
コンクール形式で、参加するグループはみな2晩(金曜の夜から日曜の朝)にかけて総力を挙げて絵を完成させます。といっても、デザインの検討、材料集めには数か月をかけてるわけなので俄然力が入ります。そんな温かいコラボレーションが生む素晴らしい絵が、完成した際から風化していくのが残念でならないのですが。。。でもそれだから余計感動も大きく目に焼き付くのかもしれませんね。今年の聖体節は6月15日。しかしその日は木曜日の為、昨今は週末に祝われるようになりました。どうぞ6月17-18日(土・日)にお出かけください!
聖体祭に街を練り歩く音楽隊
スペッロ(Spello)へのアクセス:フィレンツェからローカル線直行または乗換で2時間半〜3時間ほど。ローマからも乗換で2時間〜2時間半。
聖体祭のイベントweb site:http://infioratespello.it/
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2017/03/05)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
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