今なお続く歴史ある弦楽器職人の町

イタリア北部、観光都市ミラノから電車で1時間ほどのところにあるクレモナは、レンガ造りの建物が並ぶ風情のある街です。クラシック音楽に興味がない方でも名前を聞いたことがあるはずの、17世紀のヴァイオリン職人アントニオ・ストラディバリが生まれ、工房をかまえ、楽器製作をしていた町として有名です。ストラディバリだけでなく、アマティ一族やグァルネリ一族など、今でも最高級品として扱われる(主に)弦楽器の工房が集まっていた楽器職人の街で、長い歴史の中で衰退した時期はあったものの、今でも町にはたくさんの楽器工房が名を連ねています。日本では、映画『耳をすませば』で主人公の天沢聖司が目指す町としてご存知の方もいるかもしれませんね。

2013年にオープンしたばかりのヴァイオリン博物館 2013年にオープンしたばかりのヴァイオリン博物館

お宝楽器だけでなく製作過程もわかるヴァイオリン博物館

楽器職人の町というだけあり、町には立派なヴァイオリン博物館が設けられています。ですがこの博物館、実は2013年にオープンしたばかりの比較的新しいものなのです。それまでいくつかの博物館にわかれて展示された楽器が、現在はこのヴァイオリン博物館で一度に見ることができます。そのため新しい技術が使われた展示は見応え抜群。たんに「お高い楽器」を眺めるだけでなく、ヴァイオリンがどのような過程を経て出来上がっていくのか、実際に使われている道具などを見ながら知ることができます。そしてなんと、ガイドには日本人スタッフの方もいらっしゃいます。英語・イタリア語での展示に不安がある方も安心ですね。館内は残念ながら写真撮影禁止ですが、十分に価値のある展示の数々ですので、クレモナに訪れたらぜひ入ってみてください。ストラディバリ製作のギターなんかも見られますよ。

ロマネスク建築の巨大なクレモナ大聖堂も必見

自らクレモナに行かれる方は、町のあちこちにある工房を見て回る、という楽しみ方をする方が多いかもしれませんね。ですが音楽を抜きにしても、クレモナは中世の面影を残す町として観光を楽しめます。町の中心に位置するクレモナ大聖堂は荘厳な外観のロマネスク様式の建築で、中に入ると美しいフレスコ画が見られます。大聖堂の隣にある鐘楼に登ってレンガ造りの町並みを一望するのも良いですし、大聖堂の前、開放感たっぷりのコムーネ広場にあるカフェでゆっくり過ごすのも良いでしょう。クレモナはミラノからの日帰り観光も可能ですので、音楽好きの方は特に、そうでない方もぜひ訪れてみてください!