- 木場しのぶ
- ライター、コーディネーター、フォトグラファー。専ら端午の節句生まれを誉れとし、鯉幟を吊るす竹のように生きることを目指す。趣味・興味は多方面に渡るが、特に“食べて飲んで湯に浸かる”の3拍子をこよなく愛する。イタリア語通訳案内士資格を所持し、通訳としても活動。著書『蝦(エビ)で釣られたイタリア』は涙と笑いのイタリア滞在記。
出発エリアをに変更しました。
ネックレスとピアスのセット商品。ダイヤモンド6,5カラット+天然サファイヤ14カラット。価格は20,000ユーロ(330〜340万円)。
世界中の女性の「永遠の憧れ」といえば、何でしょう? 白馬の王子様!…という若かりし頃もあるでしょうが(笑)、それは物語に登場する偶像だと理解するあたりから別のものに変わってくるようです。
それはキラキラとまぶしく光るもの。そう、貴金属や宝石、ですよね。こんなにも女性を魅了してしまうのは、第一に偽りのない真実の輝きを放つが故だと思います。肌に着けると、キリッと背筋が伸びるような気さえしますが、自分がこの貴い鉱物に着られている風にならないようにという意識が自然と働くのでしょうね。
フィレンツェは中世から貴金属細工の盛んな町でした。当時からの数ある職人工芸の中でも、この工芸が現在この町にもっとも華々しく生き続けていることは、ヴェッキオ橋の両側にこれらの店がズラリと並んでいることからも明らかです。数十軒の小さな店にはみな、ショーウィンドウから吹き零れそうなくらい沢山の貴金属が並べられています。でも、残念ながらこれらの店では、完成品しか見ることができないんですよね。せっかくのフィレンツェ滞在中に、ぜひ貴金属細工の作業風景を見てみたいとは思いませんか?
ヴェッキオ橋から徒歩1分の「GIOIELLI UGOLINI」は、奥に作業場のあるジュエリー店。質素な佇まいだが、作品は見事。
金細工の作業場はふつう、建物の奥まったところにあるもの。しかし、あるんです、作業風景を見られる店が!
それもヴェッキオ橋から徒歩1分足らずのところ。橋を渡って2本目の通りを右に曲がれば20m。「GIOIELLI UGOLINI(ジョイエッリ・ウゴリーニ)」がそうです。ここはヴェッキオ橋の上の店舗と違って、ショウウィンドウにはほんの数点しか展示してありません。なので、作品に興味のある方は金庫の中から出して見せてもらってくださいね。
ピンセットや虫眼鏡を使いながらの細かな作業。親子2代(職人暦50年+28年)で仲良く営んでいる。
12歳から祖父のもとで徐々に仕事を覚えていったというルイジさんは、この道50年。アントニオさんは、父、ルイジさんのもとで14歳から修行を始めて四半世紀ちょっと。店と奥の作業場との間にはガラス板を1枚立ててあるだけなので、作業机に親子仲良く隣り合って製作に励んでいるほほえましい光景を見ることができます。ぜひルイジさんの手も見てください。大きくて太い指をしているので、どうやってこの緻密な作業をこなせるものか不思議でなりません。「ピンセットを使ってるのさ」と彼は言いますが、それにしてもすばらしいのひと言です。
先祖から受け継いだ高度な技術を駆使した作品。それも最高級クラスの石しか使わないとのこと。価格は、計0.24ct.のダイヤモンドの指輪=790ユーロ(約13万円)くらいからです。観光客用の店と比べてみてくださいね。
■ GIOIELLI UGOLINI(ジョイエッリ・ウゴリーニ)
住所:Via Barbadori, 1 - 50123 FIRENZE
電話番号:(+39)055-210007
URL:無し
営業時間:月〜土 9:00〜13:00/14:30〜19:30
定休日:日祝(夏期休暇8月15〜31日)
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/08/06)
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