- 木場しのぶ
- ライター、コーディネーター、フォトグラファー。専ら端午の節句生まれを誉れとし、鯉幟を吊るす竹のように生きることを目指す。趣味・興味は多方面に渡るが、特に“食べて飲んで湯に浸かる”の3拍子をこよなく愛する。イタリア語通訳案内士資格を所持し、通訳としても活動。著書『蝦(エビ)で釣られたイタリア』は涙と笑いのイタリア滞在記。
出発エリアをに変更しました。
教会内でのオペラ上演風景。すぐ目の前で演じる歌手の一挙一動に目は釘付けです
教会の静寂な空気の中で厳かに響き渡るパイプオルガン…。もとい、迫力あるオペラ歌手の歌声とグランドピアノの伴奏。
えっ?と誰しも思いますよね。でも、フィレンツェの街中にそんな教会があるんです。それもオペラ歌手は歌うだけではありません。演じながら歌う、通常のオペラ歌劇そのものなんです。教会の厚い壁にこだまする歌声と演奏は、私たちの心の中にまでびんびん浸透していく気がします。
教会内はさほど大きくなく、もちろん舞台なんてものもありません。100席分くらいの椅子をコの字型に並べ、その中央を舞台に設定して歌手が歌い演じるのです。言葉が分からなくとも、すぐ目の前にいる歌手の動きや表情から、その思いは手に取るように感じ取れるので、観る者の気持ちもグッと惹きこまれるのでしょう。オペラとオーケストラは切っても切り離せないものだという先入観はどこえやら、力強くそして弱々しく奏でるグランドピアノの演奏も、この歌劇を支えています。
演目はプッチーニの「LA BOHEME(ラ・ボエーム)」。詩人のロドルフォと画家のマルチェッロが言い争うシーン
私が観たのは、イタリアの二大オペラ作曲家の一人であるプッチーニの「LA BOHEME(ラ・ボエーム)」。ストーリーのラストシーンは、愛し合う貧しい若者同士の女性の方が病に倒れて息を引き取る悲しい物語で、最後の瞬間にはうるっときてしまいました。7月はこの「ラ・ボエーム」と、先に書いたイタリア二大オペラ作曲家のもう一人、ヴェルディの「LA TRAVIATA(ラ・トラヴィアータ/椿姫)」が、アトランダムに週1ペースで上演されます。8月以降も11月末まで何かしらのオペラが上演されるそうです。
蝶ネクタイのフランツさん(主催者)は、オペラにも金持ちの老人役で登場
上演場所は、英国国教会のSt.Mark's English Church。両脇に貴金属の店が並ぶベッキオ橋から歩いて5分ほどの所で、夜に開かれます。催しは教会とは別に、「クラシックコンサート音楽協会」が主催。場所やスケジュールなど詳しい内容は街中の観光インフォメーションオフィス【APT:Via Cavoul, 1r 他】でも手に入ります。
ちなみにこのオペラ、幕間にはシャンパンが振舞われて、なかなかの艶(演)出でした!
みなさんもステキなオペラに出会えますように。
■ Associazione Mus. CONCERTO CLASSICO(クラシックコンサート音楽協会)
電話番号:(+39)340-8119192
e-mail:info@concertoclassico.info
参加するには:予約又は直接教会へ
その他:p.m.9:30より、観劇料は19ユーロ
■ St.Mark's Einglish Church(セントマークス・イングリッシュチャーチ)
住所:Via Maggio, 18
アクセス:Ponte Veccio(ベッキオ橋)より西に徒歩5分
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/07/06)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
エイビーマガジンについて