- 堂剛
- イタリア・フィレンツェ在住。2003年単独イタリア在住を決意し、中世の街オルビエートに移住。現在はフィレンツェを中心に幅広く日本とイタリアの架け橋を構築。日本人向けサイト「アーモイタリア」やイタリア人向け「ベルジャッポーネ」もその一つ。ワインと料理を愛し、イタリア全土の美味しいもの発掘がライフワーク
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火で焼いて塩こしょうで味付けされるシンプルなステーキは、フィレンツェ料理の代表格
フィレンツェ料理といったら、やっぱりフィレンツェ風ステーキ=ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナですよね。一度食べたら病みつきのその骨付き肉は、厚さ5センチにもなり、塩こしょうのみでレアで食べるのがフィレンツェ風。使われる肉はイタリア最高級といわれるキアーナ牛で、日本で耳にするようになりました。でもビフテキより庶民にもっとなじみ深い肉料理があります。それが「ランプレドット」、日本の「もつ煮込み」です。狂牛病の危機を乗り越えて、肉料理をこよなく愛するフィレンツェの家庭の食卓にはよくこの「もつ煮込み」がのぼります。
良く煮込まれたモツは舌の上でとろけ、バジルソースが脂っこさを消してくれます
この日本人の味覚にあった地元料理「ランプレドット」は、フィレンツェの小さな広場に出ている屋台やメルカート(市場)内で売られていて、昼時になると会社員、労働者、学生たちで賑わいます。基本は塩味とニンニクで想像よりもあっさりしていて、注文してから肉を鍋からすくい細かく切ってくれます。その熱々のモツに、こしょう、唐辛子のピリ辛ソース、バジルソースで味付け、見ているだけで食欲が増します。量はイタリアサイズで山盛り、ランチには十分です。
お皿に入れてもらう「バスケッタ(vaschetta)」は切ったパンを添えてくれて3.5ユーロ(約550円)、ランプレドットのパニーノサンドが2.5ユーロ(約400円)と破格のお値段。飲み物も置いていて、トスカーナ産赤ワインがグラス1杯1ユーロ(165円)、ビールやコカコーラもあります。
サン・ロレンツォの市場はフィレンツェで一番大きい総合市場。ここで手に入らない食材はないくらい。お土産の買い物にも最適です
お店はフィレンツェ・チェントロ(中心街)の裏道にいくつも見かけることができます。観光しながらお店を見つけ、小腹が減ったらフィレンツェの伝統料理を「格安で」満喫しましょう。お勧めのランプレドット店を2軒紹介します。一軒目はランプレドット専門店の中でも観光客に人気の老舗「ネルボーネ(Nerbone)」。1872年創業のこの店はフィレンツェの中央市場「サン・ロレンツォ市場」内にあります。サッカーの中田英寿氏も通った名店です。
昔ながらの三輪トラックの屋台が可愛らしい。ここに朝、昼、晩と小腹のへったフィオレンティーニ(フィレンツェ人)が集まります
もう一軒は、筆者がフィレンツェのランプレドット屋台を食べ歩き、一番美味しいと思う一店。サンタクローチェ教会の近くのサンタンブロージョ広場に出るトラック屋台店。朝から夕方まで出ている屋台にはいつもお客が絶えることなく、地元フィレンツェ人も認める味。店員のおじちゃんも愛想がよく親しみを覚えます。観光がてらに自身のお気に入りの一軒を見つけてみてはどうでしょうか?
■ネルボーネ(DA NERBONE)
住所:Mercato di San Lorenzo, Firenze
電話:+39 055-219-949
営業時間:7:00-14:00
定休日:日曜日
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/08/13)
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